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2023 Fiscal Year Research-status Report

歯根膜におけるレプチン受容体陽性細胞の性状解明

Research Project

Project/Area Number 23K15967
Research InstitutionTokyo Dental College

Principal Investigator

伊藤 慎一郎  東京歯科大学, 歯学部, 助教 (50962114)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2025-03-31
Keywords幹細胞能
Outline of Annual Research Achievements

骨格幹細胞は、硬組織形成細胞(骨芽細胞)を供給することにより骨の恒常性を維持する。過去に、骨格幹細胞がレプチン受容体 (LepR)の発現を指標に同定できることが報告されている。我々はこれまでに非誘導性LepR-Cre;R26-tdTomマウスを用いて、歯根膜にも LepR が陽性の細胞が存在することを見出し、これが歯根膜幹細胞として機能する可能性を示す所見を得た(Scientific reports, 2023)。そこで本研究では、Cre/loxP 遺伝子情報改変技術を用いて、LepR 陽性細胞を一過性に標識出来るマウス (LepR-CreER)を作製する。このマウスを活用し、歯根膜の LepR陽性細胞の自己複製能、および骨芽細胞とセメント芽細胞への多分化能を生体内で解析することにより、その幹細胞性を厳密に実証する。
LepR-CreERマウスとレポーターマウス(ROSA26-loxP-stop-loxP-tdTomato(R26-tdTom))を交配してLepR-CreER;R26-tdTomマウスを作製し実験に使用した。タモキシフェン(TAM)を用いてLepR陽性細胞を標識後、上顎第一臼歯部の凍結切片を作製し、共焦点レーザー顕微鏡を用いて歯周組織におけるLepR陽性細胞を観察した。3週齢マウスに2カ月間TAMフード(400 mg/kg)を与えて永続的にLepR陽性細胞を標識し確認した結果、先行研究と同様に歯根膜細胞、セメント細胞、骨細胞でTomato蛍光の発現が認められた。次に、2週齢マウスに4OH-TAM(100mg/kg)を3日間連続投与して誘導性にLepR陽性細胞を標識した。標識後の48時間後には歯根膜中でのみTomato陽性細胞が認められたが、標識後2ヶ月では、歯根膜だけでなく硬組織形成細胞でTomato陽性細胞が認められた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の計画通り、本年度内にLepR-CreERマウスを作製することができ、レポーターマウス(ROSA26-loxP-stop-loxP-tdTomato(R26-tdTom))を交配してLepR-CreER;R26-tdTomマウスを作製し幹細胞性の実証を行った。TAMを用いてLepR陽性細胞を標識後、上顎第一臼歯部の凍結切片を作製し、共焦点レーザー顕微鏡を用いて歯周組織におけるLepR陽性細胞を観察した。3週齢のマウスに2カ月間TAMフード(400 mg/kg)を与えて永続的にLepR陽性細胞を標識した結果、先行研究と同様に歯根膜細胞、セメント細胞、骨細胞でTomato蛍光の発現が認められた。さらに、2週齢のLepR-CreER;R26-tdTomマウスに4OH-TAM(100 mg/kg)を3日間連続投与して誘導性にLepR陽性細胞を標識し48時間後には歯根膜中でのみTomato陽性細胞が認められた。一方、標識後2ヶ月では、歯根膜だけでなく硬組織形成細胞でTomato陽性細胞が認められた。
独自に作製したマウスが先行研究と同様の結果が得られ、現在は歯根膜LepR陽性細胞の幹細胞性を厳密に実証している状況である。

Strategy for Future Research Activity

本年度では、永続的な標識において、先行研究と同様の結果が得られ、LepR-CreER;R26-tdTomマウスの遺伝子導入の適格性が確認された。誘導性の標識において、2週齢標識直後では歯根膜でしか認められなかったLepR陽性細胞が、2カ月後では硬組織細胞でも認められたことから、歯根膜におけるLepR陽性細胞が硬組織形成細胞へ分化することの証明が示唆された。 そのため、今後は標識後半年及び半年齢や1年齢の長期飼育マウスでの観察を行い、LepR陽性細胞の分化や時間依存的な数量変化を観察するとともに、既報の歯根膜幹細胞との連関を解明する。

Causes of Carryover

本申請研究における実験の進捗はおおむね順調である。しかし、遺伝子改変マウスの飼育・繁殖に時間を要したため、繰り越し額を含めて次年度に実験を行う必要が生じた。
使用計画は当初の計画通り、遺伝子改変マウスを用いたシングルセル解析を行う予定である。この結果から、歯根膜LepR陽性細胞と既報の歯根膜幹細胞との連関を明らかにし、LepR陽性細胞を含む歯根膜細胞の包括的な理解を深める。さらに歯根膜幹細胞を応用した硬組織修復に対する新規治療法の提案へと繋がることが期待できる。

  • Research Products

    (4 results)

All 2023

All Presentation (4 results)

  • [Presentation] 抜歯窩と大腿骨骨欠損部の骨再生過程から探る 骨格部位依存的な幹細胞の多様性2023

    • Author(s)
      伊藤慎一郎, 溝口利英, 笠原正貴, 山口朗
    • Organizer
      第315回 東京歯科大学学会 2023年6月3日
  • [Presentation] 抜歯窩修復骨に寄与する幹細胞画分の同定2023

    • Author(s)
      徳山 彰秀, 伊藤慎一郎, 笠原 正貴, 溝口 利英
    • Organizer
      第41回日本骨代謝学会 2023年7月28日
  • [Presentation] 歯根膜のレプチン受容体陽性細胞は硬組織形成に寄与する2023

    • Author(s)
      伊藤慎一郎, 徳山 彰秀, 笠原 正貴, 溝口 利英
    • Organizer
      第41回日本骨代謝学会 2023年7月28日
  • [Presentation] Identification of metaphyseal Nestin-GFPbright stromal cells as a skeletal stem cell subpopulation in growing trabecular bone2023

    • Author(s)
      Shinichirou Ito, Masataka Kasahara, Toshihide Mizoguchi
    • Organizer
      ASBMR2023 2023年10月15日

URL: 

Published: 2024-12-25  

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