2023 Fiscal Year Research-status Report
ロモソズマブによる顎骨壊死発症の検証およびそのメカニズム解明の研究
Project/Area Number |
23K15973
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
畑野 紗希 広島大学, 医系科学研究科(歯), 専門研究員 (40882014)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | スクレロスチン / 顎骨壊死 |
Outline of Annual Research Achievements |
スクレロスチン中和抗体は、骨形成能と骨吸収抑制能を持つ、骨粗しょう症治療薬の一つである。しかし、スクレロスチン中和抗体には、骨吸収抑制能を持つため、顎骨壊死発症のリスクが懸念されている。しかし、直接スクレロスチン中和抗体が顎骨壊死発症に関与したとする報告はないため、その影響は不明であった。そこで、本研究では、スクレロスチン中和抗体をより強度に模倣する、スクレロスチン欠失マウスを用いて、抜歯モデルを用いて、顎骨壊死が発症するか検証を行った。 スクレロスチンの免疫染色で、野生型マウスでは、骨細胞、歯根膜、また歯肉結合組織に、スクレロスチンの発現が確認されたが、ノックアウトマウスでは、その発現は確認できなかった。次に、上顎第二臼歯の抜歯を行い、顎骨壊死が発症するか検証した。その結果、野生型とノックアウトマウスいずれにおいても、顎骨壊死の発症は確認できなかった。 また、抜歯窩の骨形成能を確認すると、ノックアウトマウスの抜歯窩は、野生型マウスと比較して骨形成能が促進しており、早期に抜歯窩治癒が誘導されていることが明らかになった。 現時点では、抜歯による顎骨壊死発症リスクは、スクレロスチン機能低下では、起きにくいことが示されたが、歯周炎を誘導し、また顎骨壊死発症を誘導するビスホスホネート製剤を投与するなど、より顎骨壊死のリスクの高い状況で、スクレロスチン機能低下がどのような働きを持つか検証する予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、研究計画当初より予定していた、スクレロスチンノックアウトマウスの安定的な確保が行えており、さらに抜歯による顎骨壊死発症の有無を確認することができた。さらに、組織学的評価も行えており、当初予定していた実験はおおむね終了させ、結果を得ることができた。 次年度は、より顎骨壊死が発症しやすい状況を模倣して、実験を行う予定としている。
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Strategy for Future Research Activity |
スクレロスチンノックアウトマウスを用いて、絹糸結紮歯周炎マウス、またビスホスホネート製剤投与による、顎骨壊死発症に及ぼすスクレロスチン欠失がどのように影響するか評価する。また、スクレロスチン欠失の抜歯窩の骨形成能促進が薬剤関連顎骨壊死モデルでどのように影響しているか検証するため、抜歯窩のCT撮影および、骨関連タンパク質の免疫染色も行う予定である。
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Causes of Carryover |
2023年度末に予定していた、ロモソズマブの投与による顎骨壊死発症の有無の確認を行う実験を予定していたが、ノックアウトマウスの繁殖が滞っており、2024年度に行う計画となったため、一部差額が生じた。現在繁殖が順調に行われており、2024年度に行う予定としている。
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