2023 Fiscal Year Research-status Report
口腔癌エクソソーム内miRNAとペリオスチンで紐解く前転移ニッチ形成機序の解明
Project/Area Number |
23K15985
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
土谷 麻衣子 帝京大学, 医学部, 助教 (60895027)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 口腔癌 / 細胞外小胞 / エクソソーム / periostin / リンパ節転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔扁平上皮癌はリンパ行性転移を起こしやすく、頸部リンパ節転移の有無は重要な予後決定因子である。そのため、リンパ節転移を制御しうる治療法の確立が望まれているが、リンパ節転移における詳細なメカニズムは未だ明らかにされていない点も多い。細胞外小胞は種々の細胞から分泌される小胞で、その内部には miRNA をはじめとした核酸やタンパク質が含包されており、細胞外コミュニケーションに一役を担っていると報告されている。本研究では、口腔扁平上皮癌細胞株より回収した細胞外小胞内の miRNA 等のマイクロアレイ解析や、その結果推定された候補因子を用いた機能実験を通して、口腔扁平上皮癌における頸部リンパ節転移の機序解明を試みる。 当該年度は、in vitro での実験を中心に行い、複数種の口腔扁平上皮癌細胞株を用いて種々の条件検討を行なってきた。今後、回収した細胞外小胞から候補因子の絞り込みを行い、リンパ管内皮細胞等を用いた機能解析を進めていく。また、今後行う予定である舌癌病理標本を用いた臨床病理学的検討のために、 in vitro での実験と並行して、該当症例の抽出と研究倫理審査委員会への申請を進める予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は、研究室の体制の変更に伴って、本研究に割くことの可能なエフォートが減少してしまった。また、条件検討に時間を要しているため進捗は遅れていると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は、口腔扁平上皮癌細胞株より回収した細胞外小胞とリンパ管内皮細胞を用いて、in vitroでの実験を継続していく。また、アレイ解析により推定される候補因子を用いて、機能解析を行っていく。上記と並行して、今後行う予定である臨床病理学的検討のための舌癌症例の抽出を行う。また、それに先立ち、研究代表者の所属する大学の研究倫理審査委員会に研究倫理審査の申請を進める予定である。
|
Causes of Carryover |
本年度は、in vitro での条件検討に時間を要していることと、本研究に割くことのできるエフォートが減少してしまったことから進捗が遅れている。また、実験に用いる消耗品や細胞株は研究代表者や所属機関が既に保有しているものを使用したため、次年度使用額が生じた。次年度は、細胞外小胞内の候補因子を探索するための受託解析を中心に、研究費を使用する予定である。
|