2023 Fiscal Year Annual Research Report
Observation for dynamic process of dental caries by in situ 4D imaging
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23K16022
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
内藤 克昭 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (70909506)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | う蝕 / 象牙質 / 2光子励起顕微鏡 / TOF-SIMS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,象牙質う蝕の動的過程におけるイオンと有機成分の相互作用について,明らかにすることを目的とした研究である.初年度では,① 2光子励起顕微鏡による4Dイメージングの手法の確立と,②飛行時間型2次イオン質量分析法(TOF-SIMS)による3次元イオンフラグメント分析の解析方法および試料作製の方法論の確立を目指した. ① 2光子励起顕微鏡は,SHG(第2高調波発生)を用いることにより無染色でコラーゲン線維や象牙質を観察することが可能である.ここに,従来からの抗体染色を組み合わせて,まず2次元のin situ測定を試みた.プロテオグリカンを染色したサンプルを脱灰溶液に曝露させた瞬間からin situ測定を行ったところ,脱灰の進行に伴って象牙質の内因性成分であるプロテオグリカンの割合が増加する様子を観察することができた.測定範囲や波長の調整がまだまだ必要ではあるが,2光子励起顕微鏡が動的過程の観察に有用であることは確認できた. ② TOF-SIMSでは,まず健全象牙質およびフッ化物を塗布した試料を用いて,元素分布が正確に行われるかを観察した.健全象牙質においては,Ca2+やPO4-などポジティブおよびネガティブのどちらでも構造の観察をすることができた.またフッ化物イオンにおいては,ネガティブにおけるF-で象牙細管周囲に分布する状態を観察することができた.酸素ビームによるスパッタリングを利用して3次元解析をしたところ,数μmのスパッタを達成し,3次元分布を構築した.また有機質の測定では,アミノ酸レベルのフラグメントを同定することができた. 今後の予定は,染色対象を増やしてう蝕の動的過程におけるタンパク質の働きを明らかにすることである.
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