2023 Fiscal Year Research-status Report
チタンに付与する機能を自在にカスタマイズする固相拡散を利用した表面改質法の確立
Project/Area Number |
23K16060
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 洋史 東北大学, 大学病院, 助教 (80876475)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | チタン / チタン合金 / 固相拡散 / 表面改質 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究より、異なる金属同士を接触させた状態で、融点以下の適当な温度に保持することで互いの金属がもう一方の金属に侵入(拡散)し合金化する固相拡散現象を応用することで、チタンの表面改質が可能であることが分かった。鉄を拡散したTi-Fe拡散層の形成では、拡散層の表層が高耐摩耗性を示すことが明らかになり、また熱処理温度と熱処理時間を制御することで拡散層の厚みと鉄濃度をコントロールできることが分かった。この表面改質法を応用し、チタンに複数の金属元素を同時拡散させることで、チタンに複数の機能を付与することが可能と考えられる。本研究ではチタンへ拡散させる金属元素として鉄(耐摩耗性)と銀(抗菌性)を選択し、これらを同時にチタンへ固相拡散させることを試みる。 本年度は、新たに拡散元素として選択した銀について、チタン表層にTi-Ag固相拡散層を形成する熱拡散条件を明らかにすることを目的に研究を行った。予備実験段階では、電気炉を真空状態にしてアルゴン雰囲気下で熱処理し銀の固相拡散を行ったが、今回はより簡便に熱処理を行うため、真空状態にしたガラス管に試料を封入して熱処理を行うように実験方法を変更した。この方法でも熱処理した試料ではチタン内に銀が固相拡散している様子を確認できた。現在この試料の機械的性質および耐食性を調べている。抗菌性に優れた表面を形成できる条件を明らかにし、今後、鉄、銀の2種類の金属元素の同時拡散を試みる計画である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験方法を当初計画していた内容と一部変更したため進捗にやや遅れが生じている。
|
Strategy for Future Research Activity |
Ti-Ag拡散層の構造解析および機械的性質、抗菌性の評価。Ti-Fe、Ti-Ag拡散層を同時形成する条件の解明。
|
Causes of Carryover |
購入予定だった物品の購入を一部見送ったため。
|