2023 Fiscal Year Research-status Report
補綴治療に伴う食事指導は高齢者の腸内細菌叢のバランス改善に寄与するか
Project/Area Number |
23K16061
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
稲用 友佳 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (50802302)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 腸内細菌叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,歯科的問題から欠損補綴を必要として来院した高齢者を対象とし,義歯による補綴治療と共に食事指導を行うことが,咀嚼能力および食生活を改善させ,腸内細菌叢のバランスを改善させるという仮説を,ランダム化比較試験により明らかにする.義歯装着のタイミングで食事指導と義歯清掃指導を受ける介入群と,義歯清掃指導のみを受けるコントロール群において,介入前後の腸内細菌叢の構成,食事内容,咀嚼能力,歯周組織などを評価し,群間比較を行う. 東京医科歯科大学病院義歯科に来院する,65歳以上の部分床義歯製作予定の患者を対象とする.同意の取れた被験者に対し,ベースライン評価を行う.義歯外来のプロトコルに従って義歯製作と装着を行い,介入後3か月評価を行う.各期間での評価項目は,腸内細菌叢の構成解析(便を採取し,16s rRNA遺伝子のV4領域増幅産物を用いたUniFracPCoA解析を用いる),食事内容の評価(簡易型自記式食事歴法質問票),問診,咀嚼能力,義歯の評価,歯周組織の評価とする. コントロール群には,プラセボ介入として設定した,義歯ケア指導を行う.患者の義歯清掃状態を確認し,清掃方法や洗浄剤の使用方法を歯科医師が指導する.実験群には食事指導および義歯ケア指導を行う.食事指導はBDHQの結果を用いて,歯科医師による個別食事指導を行う.ベースラインでのBDHQの結果を10~20分の指導時間で患者にフィードバックし,水溶性炭水化物,食物繊維,動物性タンパク質,植物性タンパク質,ポリフェノールなどの中から,国民健康栄養調査の結果から得られた平均的な日本人の摂取量よりも不足している栄養素を補い栄養バランスを改善させることを目的とした指導を行う. 2023年度はリクルートを開始した.リクルート65名,ドロップアウト8名,介入前の評価64名,介入後の評価47名まで終了した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在必要なリクルート人数には達しており,フォローアップ評価を行っている状況である.全員のフォローアップが終了次第,解析を進める予定である.
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度には全ての被験者のフォローアップが終了する予定である.腸内細菌叢の評価に関しては,専門分野の先生方からのアドバイスをいただきながら解析を進める予定である.
|
Causes of Carryover |
腸内細菌叢の解析に費用がかかるが,検体が全て集まってから一度に解析を行うため,次年度に繰り越した上で費用を使用する予定である.
|