2023 Fiscal Year Research-status Report
人工知能を用いたインプラント周囲炎発症予想システムの構築と強化学習による高精度化
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23K16064
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西村 優一 大阪大学, 大学院歯学研究科, 招へい教員 (70883263)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | インプラント周囲炎 / 発症因子 / 予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,インプラント周囲炎の発症を高精度で予測するシステムを確立することを目的とする. 2023年度は,大学(2施設)および開業医院(9施設)の合計11施設から収集した約200症例,600本のインプラント体に関する追跡調査を行い,10年以上経過症例についてのデータベースを構築した.これらデータベースを用いて,予測システムの確立を前提に,従来の統計解析を用いて,発症率ならびにリスク分析を行った.その結果,観察期間と周囲骨吸収量の中央値,四分位範囲はそれぞれ,11.5(10.2-13.5)年,0.38(0.11-0.99)mmであった.また,補綴関連項目のうち,セメント固定式上部構造およびコンベックス型のカントゥアと,周囲骨吸収量との間に有意な関連を認めた.セメント固定式上部構造は,余剰セメントの残留により,周囲組織の炎症を引き起こす可能性がある.また,コンベックス型のカントゥアは,上部構造周囲の清掃性を低下させる因子であると考察している.これら結果を基に,今後,予測システムの構築について検討を開始する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データベースの構築には,十分な症例数、対象インプラント数が必要である.現状でも研究の遂行に大きな支障はないものの,目標とするデータ数に達していないため,やや遅れていると自己評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,協力施設よりデータの提供依頼を行い,分析対象となる症例数の増加を図る.また,すでに収集できているデータを用いて,分析を並行して進める.
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Causes of Carryover |
計画していた目標症例数より,データ収集が少なくなったため,物品の購入計画が当初と異なったため
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