2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of novel 3D-printed crown mechanically compatible with human teeth
Project/Area Number |
23K16072
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
畑 賢太郎 九州歯科大学, 歯学部, 特別研修員 (20966650)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 3Dプリント / 天然歯 / 人工歯 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔内スキャナーやCAD/CAMシステムの進歩発展にともない、歯科補綴装置の作製におけるデジタル化が急速に進んでいる。光硬化型の積層造形(3Dプリント)は、CAD/CAM切削加工よりも造形精度が高く、複雑な形状が造形できるため、補綴装置の作製に適していると考えられる。しかし、3Dプリント可能な材料の選択肢は少なく、歯冠修復物として臨床使用できるものは仮歯用レジンに限られる。そこで本研究では独自技術を活用し、天然歯に近い物性をもつ3Dプリント冠を創製することを目的とする。目標を達成するため、ポリマー含浸セラミックスに着目した。ポリマー含浸セラミックスは、天然歯に近い力学的性質をもつことが知られている。一方、3Dプリント可能なポリマー含浸セラミックスの報告例は少ない。本年度は、ポリマー含浸セラミックスの光硬化型3Dプリント(液槽光重合法)に用いる3Dプリントセラミックレジン(前駆体)の調製を行った。まず、先行研究を参考として、シリカナノフィラー、ヒドキシエチルメタクリレート、有機溶媒、光重合開始剤、光吸収剤と混合攪拌して、セラミックレジンを調製した。フィラーの形状、サイズ、濃度を変えてさまざまな組成のセラミックレジンを作製し、3Dプリントを試みた。その結果、いくつかの組成のセラミックレジンは3Dプリントすることができたが、造形精度は低く、印刷不良が多かった。この原因として、フィラー状態(形状、サイズ、濃度)だけでは、造形精度に優れたセラミックレジンが作製できないと考えられる。フィラー以外に、レジンモノマーの種類や光重合開始剤の濃度、また3Dプリントの条件(積層レイヤー厚み、露光時間、リトラクト速度など)を最適化する必要があると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた方法では、目的とする新規材料を作製することは困難であることがわかった。
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Strategy for Future Research Activity |
3Dプリントに用いるレジンモノマーの種類として、さまざまなアクリレートモノマーについて検討を行う。
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Causes of Carryover |
人件費・謝金(外注測定費用)を使用しなかったため、数万円の次年度繰越金が生じた。次年度、人件費・謝金または物品費に充てる予定である。
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