2023 Fiscal Year Research-status Report
MUC7合成ペプチドによる口腔真菌症の新規治療戦略
Project/Area Number |
23K16073
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
山田 真紀雄 九州歯科大学, 歯学部, 特別研修員 (70966647)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | カンジダ感染症 / 口腔乾燥症 / 唾液 / ムチン / MUC7 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔カンジダ症は高齢者に多い疾患であり,原因真菌の C.albicans は難治性の義歯性口内炎や誤嚥による真菌性肺炎を引き起こすことが知られている. 口腔カ ンジダ症の治療薬として「アムホテリシン B:ファンキゾン」「ミコナゾール硝酸塩:フ ロリードゲル」が用いられ、その効果は即効性があり良好な治療成績を示す.しかしADL が著しく低下した高齢者や,基礎疾患を多数もつ多疾患併存患者など,一定の患者で慢性難治性のカンジダ症となり,また高齢者においては長期の連続使用 による肝障害へのリスクや耐性真菌の問題があり、さらにワーファリンを始め併用禁忌薬も多いことから短期投与に留めざるを得えないのが現状である. 我々は唾液中ムチンのMUC7に着目し,MUC7合成ペプチドを開発することを目的として研究を行っている.これまでに臨床研究により60歳以上の高齢者における唾液中のムチン濃度を測定し,48時間後のカンジダ菌CFUの測定値との関連を調査している. 今後さらに唾液中ムチンの中でもMUC7の濃度とカンジダ菌CFUの抑制効果との関連を明らかにし,MUC7合成ペプチドの開発に繋げる予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在60歳以上の外来患者を対象として横断的観察研究を行っており,安静時・刺激時唾液分泌量,口腔内細菌検査(口腔細菌カウンタ),カンジダ寒天培地を使用し,100μlの唾液を滴下後48時間後のCFU(/mL)を測定した. 交絡因子として服用薬剤数,喫煙,性別等が考えられることから,同時にデータを取得中である.
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Strategy for Future Research Activity |
現在臨床研究を進めており,観察研究ではあるものの唾液中のムチン濃度と48時間後のカンジダ菌抑制作用との関連を調査している.今後これらに関連が認められればムチンの中でもさらにMUC5BとMUC7のどちらの発現と関連があるかを調査する予定である.
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