2023 Fiscal Year Research-status Report
地域保健事業における口腔運動プログラムが高齢者の口腔機能・全身に与える影響の検討
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23K16086
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
八田 昂大 大阪大学, 大学院歯学研究科, 招へい教員 (60845949)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 口腔機能 / 通いの場 / 高齢者 / 口腔運動プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,大人数の地域在住高齢者を対象に,通いの場における口腔運動プログラムは,口腔機能維持に効果があり,さらに口腔機能維持により全身の機能が維持されるという仮説の元,通いの場への参加が口腔機能に与える効果ならびに通いの場への参加者を対象とした口腔運動プログラムが,口腔機能・認知機能や運動機能といった全身の機能に与える介入効果を検証することを目的とする. 2023年度に行った調査の結果より,大阪府豊能郡能勢町在住の65歳以上の高齢者305名(男性82名,女性223名,平均年齢76.4±6.1歳)の口腔運動プログラムの実施の背景に関する検討を行った.自宅での口腔機能訓練の有無における,各調査項目の分布について,カイ二乗検定を用いて比較した. 全体として,自宅で口腔機能訓練を行っていた者は,全体の46.6%であった.自宅で口腔機能訓練を行っていた者の割合は,男性の方が女性より少なく(男性:34.1%,女性:51.1%,P=0.008).歯みがき回数が2回以下の者は,3回以上の者と比較して少なく(2回以下:38.4%,3回以上:67.5%,P=0.001),いずれにおいても統計学的有意差を認めた.年齢及び主観的口腔健康観については,有意な関連は認めなかった.本結果より,男性ならびに口腔清掃意識の低い者は,口腔機能訓練の実施に対して消極的である可能性が示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
十分な参加者数が得られ,データ収集ならびに分析は順調に進行している.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き追跡調査を行うとともに,データ整理・分析を進め,口腔機能に対する通いの場への参加効果,口腔運動プログラムの介入効果を検証する予定である.
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Causes of Carryover |
調査の効率化に伴い,必要な物品の購入等において当初の予定よりも少額となったと思われる. 残った金額については,次年度に使用する予定である.
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