2023 Fiscal Year Research-status Report
オクルーザルスプリント型診断装置による新たな睡眠時ブラキシズム診断の有用性の検証
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23K16093
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
青木 理紗 昭和大学, 歯学部, 助教 (20965610)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 睡眠時ブラキシズム |
Outline of Annual Research Achievements |
睡眠時ブラキシズム(SB)は睡眠中に行われる非機能的運動であり,顎口腔的に破壊的作用をもたらす. SBの確定診断には睡眠ポリグラフ(PSG)検査がゴールドスタンダードであるが,その煩雑さを解決するため,自宅で簡便に測定可能なウェアラブル筋電計も近年上市されたが,依然として歯列への負荷の大きさの定量化は困難である.そこで本研究では,オクルーザルスプリント型SB検出装置による睡眠中の歯列に加わる咬合力負荷の定量的評価を行い,臨床兆候・症状と関連づけたSBの症型分類を行う. 当該年度では,オクルーザルスプリント型SB検出装置により記録される咬合力の加速度変化から出力されるシグナル波形と,同時記録を行った咬筋筋電図の筋電図(EMG)波形との対応について再度検討を行った.その一致性については,以前(Aoki et al. 2022)に報告した感度0.86とほぼ同等であった.さらに,このシグナル波形について,以前より提携して機器開発を行ってきたコアフロント株式会社と協力し,閾値を超えた波形部分を自動的に計算して出力,記録できるソフトウェアを開発した. ここから,このシグナル波形特性と臨床症状の関連性を検討するためには,睡眠時ブラキシズム患者を収集する必要があった.そこで,睡眠時ブラキシズム患者を収集するため,簡易サンプリングにより口腔内診査を含む臨床検査(咬耗の程度,起床時症状の程度,歯ぎしり音指摘の既往、歯根破折の既往,残存歯の状態,骨隆起の有無,補綴装置の脱離の既往等の調査)およびシングルチャネルの簡易筋電計(ウェアラブル筋電計)により咬筋筋活動測定を実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
オクルーザルスプリント型睡眠時ブラキシズム検出装置のシグナル波形と咬筋筋電図の一致度について再度検討を行い時間を要したため,遅れが生じた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,オクルーザルスプリント型睡眠時ブラキシズム検出装置を装着させてデータを収集して,シグナル波形の特性と臨床症状との関連性を検討していく予定である.
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Causes of Carryover |
被験者を収集する前段階として,シグナル波形と筋電図波形の一致度についての検証を行う必要が生じ,計画が予定よりも遅延したため,次年度使用額が生じた.これは次年度の被験者収集の消耗品(筋電計の電極等),オクルーザルスプリントの製作費,情報収集のための学会参加費,研究成果の発表に使用していく予定である.
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