2023 Fiscal Year Research-status Report
酸化チタンナノチューブのゲル化による新規骨再生デバイスの創製
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23K16100
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
乾 志帆子 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (90807695)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 骨補填材 / ハイドロゲル / TNT |
Outline of Annual Research Achievements |
インプラント治療は補綴治療の欠かせない選択肢の一つとなり,抜歯後インプラントの即時埋入や埋入と同時期に骨増生を誘導する術式が臨床応用されている.近年,様々なナノ粒子がドラッグシステムなどに応用される研究が盛んに行われている.我々は純チタン金属に低温化学合成法により合成される酸化チタンナノチューブ(TNT)を利用した研究を推進し,TNTがラット骨髄細胞の増殖および硬組織分化誘導の向上に有用であることを明らかにしてきた.しかし,TNT自体は粉末個体であることから,そのまま骨欠損部に保持させ,均一に分散させて機能させることは困難である.そこで,TNTを骨補填材として応用するため水酸基のモノマーを添加しゲル化することで,骨欠損部にTNTを均一に分散させ,硬組織分化誘導を進めることが可能な新規骨補填材の開発を目指す.10 Mの水酸化ナトリウム水溶液800mlを作製し,そこにTiO2粉末を2g加える.そのボトルをオイルバスに入れ115℃に維持したまま,24時間攪拌還流し,得られたスラリーに超純水を加え,粉末を洗浄,塩酸を加えることで,TNT粉末を作製する.実験には,8週齢雄性SDラット24匹を用いる.ラット頭蓋骨の骨膜を剥離し,直径9mmのトレフィンバーにて窩洞を形成する.窩洞形成後,3群(各8匹)に分ける.無埋入群,ハイドロゲル埋入群,TNT粉末を10ppm含有したハイドロゲル埋入群の3群である.本年度は無埋入群およびハイドロゲル群のin vivo試験およびTNTハイドロゲルの作成まで終了している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TNTハイドロゲルが完成したため。次年度にin vivo評価をすぐ開始する。
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Strategy for Future Research Activity |
TNTハイドロゲルを使用したin vivo評価を行い,3群の骨形成能の評価を行う。すべての実験結果を大阪大学関野先生とのミーティングにて解析し,論文作成を行う。
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Causes of Carryover |
前年度に行ったハイドロゲルならびに無埋入群の試料作成(委託)代金として,次年度に繰り越しとなっている。
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