2023 Fiscal Year Research-status Report
「滑膜性軟骨腫症特異的iPSC」樹立と病原変異遺伝子ゲノム手術による疾患研究
Project/Area Number |
23K16117
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
福谷 多恵子 広島大学, 医系科学研究科(歯), 専門研究員 (60882040)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
|
Keywords | Synovial Chondromatosis / Chondrogenic Tumours |
Outline of Annual Research Achievements |
「滑膜性軟骨腫症特異的iPSC」樹立と病原変異遺伝子ゲノム手術による疾患研究
顎関節に生じる滑膜性軟骨腫症は比較的稀な疾患であるとされているが、顎関節症や口腔心身症などと誤診され、見過ごされることが多く、潜在的には多くの患者がいると考えられている。 たしかに、通常のレントゲンやパノラマ検査では、この疾患を発見することは難しい一面もあるが、CTやMRI検査をすれば発見できる。一方で、CTやMRI検査は撮影できる施設は限られていることが、見過ごされる一因となっている。しかし、歯科用コンビームCTで撮影すれば、発見しやすいとの報告も多く、歯科用コンビームCTであれば、近年、歯科開業医でも設置されている施設が増加している。 初年度となる本年度は、まずは、多くの医師・歯科医師、また、看護師、衛生士に本疾患のこの特性を理解してもらい、難治性の顎関節症や、顎に症状を持つ口腔心身症などの患者には、歯科用コンビームCTでの検査を推奨すること、そして、滑膜性軟骨腫症の疑いがある患者については、当院に紹介していただきたい旨を、広島大学病院の関連病院の耳鼻科、歯科口腔外科、ならびに、全国の学会(日本口腔外科学会、広島大学歯学会など)や勉強会に出向き、広報することを主な業務とした。また、当研究室での無血清培養における疾患特異的iPSCの研究も継続的に行い、その精度をあげること、併せて、この疾患の変異遺伝子について追究することに尽力した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度となる本年度は、まずは、多くの医師・歯科医師、また、看護師、衛生士に本疾患のこの特性を理解してもらい、難治性の顎関節症や、顎に症状を持つ口腔心身症などの患者には、歯科用コンビームCTでの検査を推奨すること、そして、滑膜性軟骨腫症の疑いがある患者については、当院に紹介していただきたい旨を、地域の関連病院の耳鼻科、歯科口腔外科、ならびに、全国の学会や会合に出向き、広報することを主な業務としたが、 なかなか、症例数が増えなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き、滑膜性軟骨腫症の疑いがある患者については、当院に紹介していただきたい旨を、地域の関連病院の耳鼻科、歯科口腔外科、ならびに、全国の学会や会合に出向き、広報し、まずは症例数を増やすことに尽力したい。 併せて、当研究室での無血清培養における疾患特異的iPSCの研究も継続的に行い、その精度をさらに上げて、当疾患の変異遺伝子の研究に活かしていく所存である。
|
Causes of Carryover |
症例数が集まらず、思ったような結果がでなかったため、研究に遅れが生じた。 次年度は、さらに多くの学会などに出向、広報活動を行う予定であるので、その交通費、宿泊費用に使用する計画である。また、症例が集まれば、そのサンプルの運搬費、遺伝子解析 などの費用に充てる。
|