2023 Fiscal Year Research-status Report
ストレス応答を介した化学療法による口腔癌細胞上のPD-L1誘導機構の解明
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23K16160
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
笹谷 聖 札幌医科大学, 医学部, 助教 (10815715)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | シスプラチン / PD-L1 / 口腔癌 / ストレス応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔癌患者から得られた手術検体より樹立した新規口腔扁平上皮癌細胞株に対し、2週間ごとに濃度を漸増させながらシスプラチンによる刺激を行った。シスプラチン刺激を継続した細胞株は野生型の細胞株と比較すると、シスプラチン存在下での生存率は高く、Claspinが強発現していることが確認され、シスプラチン耐性であることが示唆されたためシスプラチン耐性株の樹立に成功したといえる。また、これまで口腔癌の10種類の新規癌細胞株の樹立に成功しているが、新規口腔扁平上皮癌細胞株の樹立を目指し、口腔癌患者から得られた手術検体より引き続き細胞培養を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
口腔癌患者から得られた手術検体より新規口腔扁平上皮癌細胞株の樹立を目指しているが、細胞培養中の細菌のコンタミネーションなどが原因となり、新たな癌細胞株樹立には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
既にシスプラチンによって口腔扁平上皮癌細胞内のPD-L1の局在が変化している可能性が示唆されたため、今後はGreen fluorescent protein(GFP)遺伝子導入によりPD-L1の局在を蛍光顕微鏡で可視化する研究を予定している。また、引き続き口腔癌患者から得られた手術検体より新規口腔扁平上皮癌細胞株の樹立を目指すとともに、野生型の細胞株と樹立したシスプラチン耐性株におけるPD-L1、PD-L2をはじめとした免疫チェックポイント分子の発現について比較検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究の遂行にあたり、追加での物品・消耗品の購入や、学会での研究発表の際の旅費が必要となるため。
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