2023 Fiscal Year Research-status Report
医療的ケア児を対象とした小児在宅歯科医療推進のためのエビデンス構築
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23K16214
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高井 理人 北海道大学, 歯学研究院, 専門研究員 (80825513)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 小児在宅歯科医療 / 小児在宅医療 / 医療的ケア児 / 歯科訪問診療 / 重症心身障害児 / 口腔ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、医療的ケア児を対象とした小児在宅歯科医療を推進するためのエビデンス構築を目指した調査研究である。初年度は、歯科訪問診療に対するニーズ調査のまとめを行った。 本調査では、医療的ケア児を含む障害児を対象とし、①歯科受診をしていない、②外来受診をしている、③訪問診療を受けている、④外来受診と訪問診療を併用している、の4群に分けて調査を行った。調査は無記名Webアンケートにて実施し、390名の保護者から回答が得られた。歯科受診をしていない医療的ケア児において、歯科診療を受けていない理由は「歯科診療を受けたいが受診が難しい」が最も多かった。受診が難しい具体的な理由としては「通院・移動が困難」が最も多かった。これらの結果から、歯科診療を受けたい希望があるものの受診できていない児が一定数存在することが示唆された。歯科訪問診療を受けている医療的ケア児は外来受診をしている児と比較して必要な医療的ケアの種類が多いこと、他の在宅医療(訪問診療・訪問看護・訪問リハビリテーション)を受けている割合が有意に高いことがわかった。外来診療を受けている児で「訪問診療を受けたい」と回答した割合(65.7%)は、訪問診療を受けている児で「外来診療を受けたい」と回答した割合(24.3%)よりも有意に高かった。現在外来診療を受けている医療的ケア児の中においても、半数以上が訪問診療を受けることを希望しており、小児在宅歯科医療の潜在的なニーズは大きいことが示唆された。今後、小児在宅歯科医療介入効果検証のためのコホート研究を計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画していたコホート研究については、研究協力機関との調整を行っている段階で、評価項目とアウトカムの設定、ならびに対象のリクルートに時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
小児在宅歯科医療の介入効果検証に関するコホート研究についての検討を進め、次年度以降にデータ採取を開始する予定である。
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Causes of Carryover |
コホート研究実施計画がやや遅れており、物品費の使用に遅れが生じているため。次年度以降に計画を進め予算を執行予定。
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