2023 Fiscal Year Research-status Report
The mechanism by which diabetic neuropathy impairs masticatory function
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23K16227
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
濱本 結太 広島大学, 病院(歯), 助教 (00848476)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 糖尿病神経障害 / サルコペニア / 咀嚼能率 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病と歯周炎の関連について、これまで歯周炎の炎症という側面にフォーカスが当てられて研究されてきた。一方で、歯周炎が進行して歯が脱落すると、歯周組織の炎症自体は縮小していくが、糖尿病に対しては咀嚼障害という機能障害の側面で悪影響を与えると考えられる。本研究では、そういった歯周炎の機能障害という側面が糖尿病と関連しているかを調べることを目的としている。 本研究の対照者は広島大学病院内分泌・糖尿病内科に教育入院となった1型および2型糖尿病患者とした。入院中に歯周組織検査および咀嚼能率検査を行い、糖尿病の各因子とどのような関連があるか多変量解析を用いて検討した。 その結果糖尿病の3大合併症である糖尿病神経障害の発症と咀嚼能率が相関関係を示し、また、歯の欠損による咀嚼能率の低下が少ない20本以上残存歯を有する患者でソーティングを行ってもこの相関関係は維持された。更に、多変量解析の結果においても、糖尿病神経障害を有する患者では有意に咀嚼能率の低下を認めた。 これらの原因として、糖尿病神経障害による直接的な三叉神経障害、もしくは糖尿病神経障害に伴うサルコペニアに関連した咀嚼筋機能障害を考察した。糖尿病神経障害の直接的な脳神経障害としての三叉神経障害は報告がなく、今後動物実験による検討を計画している。また、サルコペニアの関連については追加の臨床研究を現在進行中で、同対象患者についてサルコペニアと口腔機能障害の診断を付け加えてサンプリングを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの流行も終息傾向にあり、教育入院患者の紹介が比較的順調に進んでいるため、進捗度はおおむね良好と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの臨床研究の考察を引き続き検討する。 動物実験は糖尿病神経障害モデルマウスを用いて、三叉神経の神経障害物質の定量を行う。 サルコペニアについては、追加の臨床研究が現在進行中である。これまでの研究の検査データに加えて、サルコペニアと口腔機能障害の診断を追加し、より詳細な検討を予定している。
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Causes of Carryover |
動物実験に遅れが生じたため、その予算を次年度使用予定である。
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