2023 Fiscal Year Research-status Report
マルチレベル分析による新たな周術期口腔機能管理を目指した口腔機能と起立動作の解明
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23K16230
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
廣島屋 貴俊 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (20899009)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 周術期口腔機能管理 / 運動機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔機能は栄養摂取に深く関わっており、健康維持に重要な役割を果たしている。近年の報告では、口腔機能はフレイルやサルコペニアと関連し、歩行能力や体幹維持などの運動機能にも影響することが知られているが、周術期患者を対象とした研究は未だ少なく、術後急性期から回復期にかけての口腔機能と全身運動機能との関連は不明な点が多い。本研究は、舌圧や咬合圧などの口腔機能や義歯による咬合支持が手術後の起立動作に与える影響を明らかにするために、整形外科で人工股関節置換術予定の患者に対して口腔機能および起立動作時に発生する床反力を縦断的に解析するものである。 本年は、研究対象者の確保と測定が主であった。研究参加者は3名(男性1名、女性2名 平均年齢73.7歳)であった。総測定回数は7回であり、術前が3回、術直後が3回、手術3ヶ月後が1回であった。口腔機能については、測定時期による明らかな数値の変化は見受けられなかった。運動機能の測定については、創部痛により術直後の測定が困難な者が1名存在した。運動能力については、術直前および術直後は最大床反力および立ち上がり動作時間が最低値を示していたが、手術3ヶ月後においては両者とも増加する傾向にあった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
紹介システムの変更や医科歯科外来間の物理的距離など、本来予想していなかった障害により対象者を確保できていない。また、測定項目の多さから次回測定を断念される対象者も多数存在した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初、対象者の測定回数を術前、術直後、数か月~半年後の合計3回としていた。しかしながら、研究を実施していく過程で①術直後は測定が運動機能の困難であること、②数か月~半年間は外来通院困難な方がいること、上記2点の課題が明らかとなった。そこで確実に測定ができるよう、測定回数を術前、手術1年後の2回に変更する。これにより一人当たりの測定回数が減少するため、解析に必要な対象者を新たに確保する必要がある。 次年度から紹介システムは従来の形に戻り、下半期からは病棟新設により医科歯科外来間の距離が大幅に短縮される。これらにより、本研究の障害となっていた問題は解消され、ある程度対象者を確保できると考えられる。新たな研究対象者の確保については、①対象年齢を見直す、②術後1年後の患者を対象者に追加する、上記の変更点を加えて研究を継続する。
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Causes of Carryover |
研究計画の見直しが必要となったため,遅延が生じている.今後,予定していたサンプル数を上回る臨床データを収集する必要があるため、消耗品の購入費を計上する。
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