2023 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の認知機能低下発現を予測するバイオマーカーの開発
Project/Area Number |
23K16260
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
折橋 隆三 大分大学, 医学部, 助教 (00909418)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
Keywords | 高齢者 / オキシトシン / sTREM2 / BDNF / 認知機能 / 脳画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
この研究の目的は、高齢者の認知機能低下を事前に予測する生物学的指標(バイオマーカー)の開発を行うこと、より効果的な認知症予防のためのエビデンスを確立することである。その結果、高齢者自身の疾病の予防や健康維持への関心に応え、高齢者の健康寿命の延伸と医療費の軽減に寄与することである。 これまでに佐賀県伊万里市黒川町で平成16年~令和3年に6期に分けて行ってきた地域在住の高齢者を対象とした疫学調査のデータと試料を使用し、血清中のバイオマーカー(オキシトシン、sTREM2、コルチゾール、BDNF、proBDNF、CRPなど)の濃度と脳体積、認知機能などの関連を横断的また縦断的に解析して明らかにする。そしてここで新たに得られた結果を黒川町在住の高齢者に引き続きタイムリーに還元し、高齢者自身の疾病の予防や健康維持への関心に応えること、そして高齢化が進展する中での健康寿命の延伸と医療費の軽減に繋がるよう遂行する。 令和5年度は、これまでに得られたデータから、高齢者の血清中のオキシトシンと老年期うつ病評価尺度との関連について有意な所見をまとめた。その内容について英語論文を作成し、学術雑誌に論文を投稿し受理、掲載された。現在は、血清中のsTREM2と前頭葉機能検査との関連について、また血清中の脳由来神経栄養因子とオキシトシンとの関連について有意な所見をまとめ、英語論文を作成し、学術雑誌に論文を投稿している。現在査読中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
必要なデータを解析し、順次論文の作成と投稿を進めることができている。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在投稿中の論文の査読が終了し次第、修正を行い早期に受理、掲載されるよう進めていく。引き続き、種々のバイオマーカーと、脳体積、認知機能、抑うつなどとの関連について、横断的また縦断的に解析して明らかにしていく。
|
Causes of Carryover |
データの解析や論文の作成を行う過程では、費用がかさむことが少なかった。翌年度の使用計画として、プリンターの購入、学会発表にかかる費用、英語論文作成時の英文校正費用、学術雑誌への論文の投稿、掲載費用などに使用することを計画する。
|
Research Products
(3 results)