2023 Fiscal Year Research-status Report
Evidence building on the actual situation and possibility of the visiting pharmacist using medical and long-term care claims data.
Project/Area Number |
23K16299
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Research Institution | Institute for Health Economics and Policy, Association for Health Economics Rsearch and Social Insurance and Welfare |
Principal Investigator |
田口 怜奈 一般財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会(医療経済研究機構(研究部)), 研究部, 研究員 (20966022)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 訪問薬剤師 / 在宅医療 / 大規模データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
在宅医療の需要は増え続けており、人口あたりの薬剤師数がOECD諸国最多である我が国においては、在宅現場に赴く訪問薬剤師が注目され、タスクシフト/タスクシェアとしての役割拡大が検討されている。 本研究は、在宅医療における訪問薬剤師の医療・福祉・経済効果およびその普及と利用格差について、医療・介護レセプトを連結したリアルワールドデータを用いて包括的に検証し、今後の活用可能性の議論に資するエビデンスを構築することを目的としている。 本年度は、訪問薬剤師の導入に関連する因子について、約2万人の高齢者の医療・介護レセプトデータを用いて明らかにした。具体的には、nested case-controlの手法を用いて訪問薬剤師が導入された高齢者と、年齢・性別等をマッチさせたコントロール群について、背景因子の群間比較および多変量ロジスティック回帰分析を実施した。本研究により、訪問薬剤師の導入と関連の強い因子として、訪問診療・入院・居住系施設の入居が同定された。訪問薬剤師が導入された患者の特性は一様ではなく、求められている役割が異なる可能性がある。また、入院という因子の影響が大きいことが新たに明らかになったことから、退院直後に訪問薬剤師のニーズが高い可能性や、入院によって患者本人や家族の意識が変わり在宅サービスを利用する可能性、あるいは、病院の地域連携室や退院支援スタッフが訪問薬剤師導入の橋渡しの役割を担っている可能性が考えられた。 本研究の成果は、第7回日本老年薬学会学術大会にて発表し、優秀演題賞を受賞した。また査読ありの英文誌(Geriatrics & Gerontology International)にて公表している。 また、関連した内容についてIAGGアジア/オセアニア国際老年学会議にて発表し、Outstanding Poster Presentation Awardを受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、研究1:普及実態解析、研究2:介入効果検証、研究3:政策評価・提言の3段階からなり、本年度は、訪問薬剤師の普及実態解析を実施している。 年度内に、英文誌での成果公表と3回の学会発表を完了しており、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
1年間研究を休止し、研究再開後は研究計画を1年度後ろ倒しにして研究を実施する。 具体的には、訪問薬剤師サービスの普及実態解析と介入効果検証から再開し、年度内の国際学会での成果発表および査読付き英語論文の投稿を実施する。
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Causes of Carryover |
本年は、国内で開催された国際学会に参加したこと等から、次年度使用額が生じた。 研究再開する再来年度以降に、海外で開催される国際学会への参加、オープンアクセスジャーナルへの投稿費用、解析用PCの購入に使用する計画である。
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Research Products
(4 results)