2023 Fiscal Year Research-status Report
好酸球性食道炎の病態にアルコールが与える影響と分子学的機序の解明
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23K16307
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
高嶋 信吾 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (80878439)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 好酸球性食道炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、好酸球食道炎(EoE)の発症、増悪に飲酒が影響を与えているかを明らかにすることを目標としている。また、飲酒や肝機能障害が、EoEに影響をあたえているのであれば、どのように肝臓-食道連携が行われているかを明らかにすることを目的としている。本年は、まず当院受診者での、EoEと肝機能障害の関係の検討を行った。 当院でおこなった内視鏡で、EoEと診断された患者を対象に、EoEの発症リスクがどうなっているのかを検討し、とくに肝臓機能に影響する因子がEoEのリスク因子となっているかについて検討した。 結果としては、2015年4月1日~2023年3月31日のうち、大阪公立大学医学部附属病院人間ドック施設Medcity21で発見されたEoE患者139名と、同期間中の人間ドック受診者からEoE群と年齢・性別を合わせて1対1の割合で無作為に抽出した対照群139名を対象とした解析を行ったところ、単変量解析では、食道症状、飲酒歴、アレルギー歴、BMI≧25がEoEの危険因子であることがあきらかとなった。多変量解析によっても、食道症状、飲酒歴、アレルギー歴がEoEの発症の有意な危険因子であることが明らかとなった。また、少人数のフォローアップ研究では、EoEの発症には飲酒がリスク因子であるが、EoEの再燃に関して飲酒そのものは大きな影響を及ぼしておらず、飲酒による肝障害が影響していると考えられるという結論が得られた。 この結果をもとに、本検討で用いた症例について、保存してある血清がある症例についてはELISAなどの検討を追加するように準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒト検体のELISAによる解析については、検体収集がおわってから行うことに変更し、現在は検体収集中である。また、好酸球性疾患の集積について、予定よりも新規症例がすくなく、集積が予定よりも遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床的な好酸球食道炎の危険因子について、データを集積しながら明らかにする検討は継続する。またそれに加えて、集まった血清を用いた好酸球性食道炎の危険因子の検討については、ある一定数症例があつまりしだい解析をおこなって行く予定である。
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Causes of Carryover |
本年は、症例選択などの検討を行ったため、ELISAなどの試薬代がかかる研究については、次年度に持ち越しとなった。
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