2023 Fiscal Year Research-status Report
Information about the adoption and foster care for the couples of infertility treatment
Project/Area Number |
23K16356
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
市川 佳世子 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (90972688)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 不妊治療 / 特別養子縁組 / 里親 / 情報提供 / 児童虐待 |
Outline of Annual Research Achievements |
不妊治療当事者のうち、特別養子縁組を選んだケース、夫婦二人の生活を選んだケース、海外(フランス)で養子縁組をおこなったケース合計5名に対して、特別養子縁組への考え方や、不妊治療医療機関からの情報提供ニーズについてヒアリングを行なった。さらに、里親・特別養子縁組支援団体、児童相談所へのインタビューを実施し、広報活動の課題や医療機関との連携ニーズ、さらに不妊治療当事者のニーズと支援団体のニーズのギャップなどのヒアリングを行なった。 ヒアリングでは、特別養子縁組を選んだ方も、実子か養子かを選択したのではなく、実子を得ることが不可能であると諦めたのちに子供がいない生活か養子を選ぶかの選択をしていた。また養子支援団体からも運用として、養子と実子を両方育てることは認めていない団体が多いことがわかった。一方で、海外(フランス)で養子縁組を行なったケースでは、養子・実子両方の子育てが可能であり、不妊治療医療機関からも養子縁組の情報提供が行われていたことがわかった。また、特別養子縁組を選ばなかったケースでも医療機関からの情報提供を希望していた。支援団体へのヒアリングでは、里親・特別養子縁組制度は子どもの福祉のための制度であり、不妊治療当事者に実子の代替としての養子を提供する制度ではないことの理解を促進する説明の難しさが語られた。また全ての支援団体が、不妊治療医療機関との連携を希望していた。 また、大阪府内の体外受精等を実施する全不妊治療医療機関へのアンケートを実施し、不妊患者に対する里親・特別養子縁組の情報提供に関する考え方や支援団体との連携ニーズについて調査した。現在医療機関へのアンケート結果を集計中であり、当事者へのヒアリングに基づき、今後当事者へのアンケートを実施予定。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
倫理委員会において、提出から承認までの事務プロセスに9ヶ月程度要し、研究進捗に支障をきたしたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
当事者へのアンケートを実施後、アンケート結果を踏まえて、不妊治療当事者が望む里親・特別養子縁組への情報提供を行うコンテンツの作成を行う。 不妊治療医療機関へのアンケート結果において、里親・特別養子縁組情報提供の連携を希望する医療機関に対して具体的な連携ニーズを聞き取り、支援団体と共に情報提供コンテンツの活用についての仕組みを作成する。 その後、連携医療機関と連携を希望しない医療機関とを比較し、当事者の里親・特別養子縁組の意識の変化や精神状態の変化等を検証する。 また効果的な情報提供のあり方や内容についても検証を行う。 夏に国際児童虐待防止学会で発表を行い、海外での特別養子縁組に対する制度の違いや認識の違いなどについてもヒアリングを実施する。
|
Causes of Carryover |
2023年度実施予定だった当事者へのアンケートが2024年度に移行したため、アンケートにかかる費用の支出がなかったため。
|