2023 Fiscal Year Research-status Report
HPVワクチン接種促進のための行動経済学的アプローチ方法の開発に関する研究
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23K16365
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Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
駒田 真由子 東京医療保健大学, 看護学部, 講師 (10803017)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | HPVワクチン / 子宮頸がん / 行動経済学 / ワクチン接種行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本におけるHPVワクチン定期接種プログラムは、小学校6年生から高校1年生を対象として2013年4月に始まったものの、様々な報道により、2か月で積極的接種の差し控えを行うこととなった。差し控えはその後8年間続いたが、国は2021年11月にようやく積極的接種差し控えの終了を決定し、2022年4月から勧奨接種が再開された。子宮頸がんワクチン接種は国内では過去に報道も多くマイナスなイメージも根強いため、接種勧奨が再開されたことで接種の意思/行動決定方法が注目される。治療のための投薬と違い健康な人への医療行為であるワクチンは日本では受け入れられにくい歴史があり、HPVワクチン接種に関するポピュレーションアプローチを戦略的に行っていく必要がある。エビデンスに基いたHPVワクチン接種の安全性を周知していくのは当然のことながら、多くの人にわかりやすく理解可能な正確な情報を提供し、親しみやすい行動のきっかけを与えていくための方法を検討する必要がある。本研究の目的は、定期接種対象年齢以前の子どもを持つ親に対するHPVワクチン接種促進のための行動経済学的アプローチを使用した効果的な介入方法を検討して明らかにし、提示することである。初年度は、文献を検討したものの、国内の文献はまだ十分ではなく研究の蓄積が必要であると考えられた。文献検討をもとに都内の保育園児を持つ親に自身や子どもへのHPVワクチン接種の意思や、HPVワクチンに対しての認識を尋ねた調査を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今後も調査の実施、分析、学会発表、論文投稿等を順次行っていくことを予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、定期接種対象年齢以前の子どもを持つ親に対するHPVワクチン接種促進要因を探るための、調査を実施する予定である。どのような行動経済学的アプローチが効果的なのかを示唆するような調査を実施し、今後の介入に繋げていきたい。
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Causes of Carryover |
実施予定であった調査に遅れが出てしまったことにより、現時点での未使用額が生じてしまったため、令和6年度は調査を実施し、データ分析後に学会発表や論文投稿の費用に充てる予定である。
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