2023 Fiscal Year Research-status Report
入退院支援に関わる看護職の多角的視点を育む実践ガイドの開発
Project/Area Number |
23K16389
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
田中 慎吾 横浜市立大学, 医学部, 助教 (50963972)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 退院支援 / 退院調整 / 看護師 / 病院 / 施設間連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
退院支援の質向上には、病棟看護師が患者の退院先の療養環境でのケア提供を見据えた退院支援を行うことが必要である。本研究は、病棟看護師を対象とした、退院調整看護師と退院患者を受け入れる医療機関の看護師の視点を可視化した退院支援ガイドラインの構築を目指す。本研究は退院調整看護師の退院支援に関する認識の解明(調査1)、退院患者を受け入れる医療機関の看護師の退院支援に関する認識の解明(調査2)、ガイドラインの開発(調査3)の3つの調査を計画している。
本年度の活動ではまず、文献レビューおよび訪問看護師へのヒアリングを通じて退院支援の質向上についての国内外の動向を把握し、退院調整看護師および退院患者を受け入れる医療機関の看護師が退院支援に対してどのような認識を持っているのかを把握した。その結果、文献からは、それぞれの医療機関は独自もしくは連携施設と協働して退院支援に関するシステム開発に取り組んでいるが、施設ごとに看護師の認識が異なることや退院時の情報不足、連携不足などから退院支援に課題があることが明らかになった。また、訪問看護師へのヒアリングからは、退院前の患者の意向確認と医療者間の情報共有、患者の生活様式に合わせた退院後のケア内容の調整が必要であり、それらを実現するためには退院サマリーだけでなく退院前カンファレンスが重要であるという認識が示された。これらのことから、病棟看護師も退院前カンファレンスに向けてどのような情報収集やケアプランの作成が必要か検討することができれば退院支援の質向上に繋がる可能性が示唆された。
次に、退院調整看護師と退院患者を受け入れる医療機関の看護師の退院支援に関する認識を解明するためのインタビューガイドを作成した。作成したインタビューガイドはそれぞれ退院調整看護師と訪問看護師にプレテストを行い、適宜質的研究の経験のある研究者のスーパーバイズを受けた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画と異なり調査1と調査2のインタビューガイドを並行して作成したので、調査1のデータ収集開始が遅れたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、作成したインタビューガイドを用いて調査1のデータ収集および分析を行う予定である。また、調査1のデータ分析とともに調査2のデータ収集を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
調査を行うための機材調達や環境整備を行ったが、データ収集を開始していないためそれに伴う謝金や逐語録の作成、学会参加に研究費を使用しなかったため。2024年度はデータ収集、分析、研究成果の発表を行う予定である。
|