2023 Fiscal Year Research-status Report
がん患者遺族の自由回答自動分析システムの開発/検討:遺族の声を見落とさないために
Project/Area Number |
23K16413
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
升川 研人 東北大学, 医学系研究科, 助教 (50964681)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 緩和ケア / 自然言語処理 / 機械学習 / 遺族調査 / 緩和ケアの質評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、自然言語処理と機械学習を活用し、我が国の遺族調査における自由回答の自動分析モデルを開発しその精度を明らかにすることである。2023年度は、モデル開発のために全国遺族調査の自由回答約30,000件の内容分析と、新たな自由回答への性能評価のために使用する自由回答を得るためにがん患者遺族を対象としたインターネット遺族調査を実施した。内容分析をした結果、自由回答の内容は、26のカテゴリ(102のサブカテゴリ)に分類されることが明らかになった。カテゴリの内訳は、「医療・介護・福祉制度を充実させてほしい」「連携の強化をして欲しい」「経済的負担を軽減してほしい」「入院期間の制限を緩和してほしい」「スタッフの材確保・処遇改善をしてほしい」「療養環境を充実させてほしい」「医療へのアクセスを改善してほしい」「患者家族に配慮した詳しい説明をしてほしい」「医療者のコミュニケーション・振る舞いをよくしてほしい」「医療者・患者・家族での話し合いを促進してほしい」「医療の質を向上してほしい」「医療・介護スタッフの教育を徹底してほしい」「医療を均てん化してほしい」「患者・家族が希望した治療・ケアを行なってほしい」「希望した療養場所で過ごさせてほしい」「患者と十分な時間を過ごさせてほしい」「苦痛の緩和をしてほしい」「緩和ケアを充実させてほしい」「治療や技術を発展させてほしい」「疾患の早期発見/予防を充実させてほしい」「一般社会で疾患・療養生活・緩和ケアについて普及してほしい」「患者・家族への情報提供/教育」「在宅医療を充実させてほしい」「在宅医療に関して不安がある」「家族・遺族ケアを充実させてほしい」「食事に関することを改善してほしい」であった。今後はこの内容分析をもとにモデルを開発して、外部データへの性能を評価する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
内容分析による正解ラベルの付与は予定通り終了しており、来年度予定していた遺族調査も前倒しで実施することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
機械学習モデルの開発を実施する。申請者が過去に実施した解析内容をそのまま応用可能であるため、今後の進行には問題ないと考える。また、外部の自由回答への正解ラベル付与のために申請者の研究室内の専門看護師に依頼することで円滑に実施可能である。
|
Causes of Carryover |
今年度は、正解ラベルの付与に関わる協力者を募らなかった。それに関わる人件費が不要となった。また、解析用パソコン購入も今年度は不要であった。来年度は新たなデータに対する正解ラベルの付与と、解析を実施する。そのため、来年度に人件費と解析用のパソコンの購入のための予算を使用する予定である。
|