2023 Fiscal Year Research-status Report
感性評価を用いた苦痛の把握における子どもの自己表現を引き出すデザイン要素の検証
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23K16468
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
大姶良 義将 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (60910338)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | ユーザインタフェース / 概念モデル / 視線計測 / ユーザビリティテスト / 感性デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,感性評価における“子どもの自己表現を引き出すデザイン要素”を明らかにすることを目的に視線移動に着目した検証を行う.医療処置には患者の感じる苦痛を自身が納得した状態で表現できることが求められるが,既存の伝達方法では言語や数値に置き換える必要があった.さらに苦痛とは身体的なものだけでなく心理的・社会的なものも含み互いに影響し合うとされ,複雑で曖昧かつ主観的で個人差があるゆえに伝達難易度は大人でも高く,子どもでは一層の困難を極め表現の納得感が得られないという課題があった. 2023年度においては,調査に必要な環境整備を行い,視線計測に関する既往研究調査と予備実験を実施した. a)既往研究調査:視線計測装置を用いた研究について調査し,研究や分析の方法について知見を深めた. b)予備実験:次年度のユーザビリティテスト実施のために環境構築と検証を行い,評価項目の選定・解析ソフトの使用方法などを確認し調査フローを計画した. 具体的には,視線計測装置を用いた既往研究について,ソフトウェアのユーザーインタフェースを検証した論文やスケッチ時の視線の動きを習熟度で群を分けて比較した論文から,停留箇所や時間・回数の計測方法と分析手法の知見を得た.調査環境について,タブレット端末の調査では視線計測装置の映像を安定させるために,実験参加者が端末を保持せずアームスタンドで固定すること多角的に撮影することが重要であった.評価項目について,既往研究や参考書籍からユーザビリティ評価の項目を用いることとした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り環境整備・文献調査・予備実験を行うことができ,次年度の実験実施に向け順調に進展している. 倫理審査の承認をもって成人を対象に計画している調査を実施する.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画では,2024年度は実際にユーザビリティテストを実施予定である.感性評価ツールの操作中の視線の停留箇所や時間・回数を計測し分析を行う. ツール操作の特徴から研究目的である"自己表現を引き出すデザイン要素”を明らかにするため,研究協力者とのディスカッションを重ねる.
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Causes of Carryover |
予備実験や調査を参考に備品の購入を見直した結果,これまでの研究活動で使用していた物品で環境を整えることが可能であったため当初より支出額が低くなった.令和6年度は今回生じた次年度使用額と合算し,消耗品や視線計測解析に必要な専用ソフトのライセンスを購入する.
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