2023 Fiscal Year Research-status Report
経会陰エコーによる骨盤底筋の収縮力の定量的評価法の確立―産後のQOL向上をめざして
Project/Area Number |
23K16470
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
高岡 智子 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (80644947)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 骨盤底筋 / 筋力 / 超音波検査 / 信頼性 / 妥当性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は骨盤底筋の収縮を反映すると見込む画像上の測定指標(以下、測定指標)が、骨盤底筋の最大筋力を評価する指標として信頼性、妥当性を有するのかを明らかにし、筋力を判定する基準値(カットオフ値)を設定することである。 2023年度は文献検討により、研究計画を確定した。具体的には、課題となっていた研究対象者の設定について再検討し、経腟分娩により単胎の児を得た20歳以上の方で、特に分娩から1~2か月経過した女性を対象とすることに決定した。また、研究対象者のリクルート方法(研究協力の依頼や同意の取得方法)等について検討し、研究計画の詳細を決定した。 上記と並行して、研究実施環境の整備に取り組んだ。研究協力施設と複数回の打合せを持つ中で、施設への依頼事項や研究者との役割分担について調整した。また、データ収集の際に研究対象者(産後の女性)と一緒に来院する乳児の世話をする人員を確保するなど、実際に研究を開始できる環境を整えた。 その後、所属大学の倫理審査委員会に申請し、承認を得て、3月よりデータ収集を開始するに至った。当該年度中に2例のデータ収集を実施し、経会陰エコーを使用して骨盤底筋の収縮動作が問題なく確認できること、研究計画書にて想定する手順により測定指標の計測が可能であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は研究計画を確定しデータ収集を5例行うことを予定していた。データ収集は2例にとどまったが、研究計画を確定し、倫理審査委員会の承認を得てデータ収集を開始するという主要な進捗目標は達成されたため、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画書に基づき2024年度、2025年度の2年間かけて75名のリクルートとデータ収集を実施する予定である。研究協力施設との調整は円滑であり、今後もスムーズにデータ収集を行うことが期待できる。30名のデータを取得し終えた段階で研究目的の1つ目である測定指標の信頼性の分析を行うことを予定する。
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Causes of Carryover |
2023年度は超音波画像診断デバイス(EchoNous製、エコノスブラッダープローブ、タブレット型ディスプレイ)やデータ収集に必要な消耗品等を購入した。未使用額が発生したが、これは超音波画像診断デバイスの値引きが受けられたため交付申請時よりも安価に購入できたこと、購入を予定していたパソコンについて2023年度は所属施設より貸与されたもので対応可能であったためである。 2024年度は2023年度未使用額と当初の2024年度予定額を合わせた金額(約93万円)の支出を予定する。具体的な使途はパソコン(35万円)、プリンターやスキャナー等の消耗品(16万円)、研究対象者への謝品(7万円)、研究協力者(データ収集時に研究対象者である産後の女性と一緒に来院した児のベビーシッター)への謝礼(8万円)、データ収集や学会参加に要する旅費(15万円)、学会参加費(3万円)、データ取集時に使用する消耗品(9万円)である。
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