2023 Fiscal Year Research-status Report
Effectiveness of an early skin-to-skin contact program for pregnant women with cesarean section at district hospitals in Tanzania
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23K16480
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
五十嵐 由美子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 助教 (40962717)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | Skin-to-skin contact / Cesarean section / Kangaroo-mother care / Breastfeeding / Infection disease / Diarrhea / Tanzania / Sub-Sahara |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、タンザニアのMuhimbili University of Health and Allied SciencesのCommunity Health NursingのAssistant lectureのMushyと連絡をとり、現地の帝王切開術・母乳育児に関する状況や、研究実施施設に関する情報収集を実施した。 研究実施可能な施設として、ダルエスサラーム近郊の2つの第二次医療機関を検討している。また、現地での研究実施に関して必要となってくる医療スタッフへの教育プログラム、妊産婦とその家族への教育ツールとしてのパンフレットの内容について見直しを行った。 パンフレットは文章が多く、A4サイズと大きいため、より読みやすく、妊婦が家に持ち帰り家族と見て話ができるよう、小さく絵や写真を多く使用したものへの変更を検討している。また、母乳育児に関する内容は、より実践的に役立つものを追加したいと考えている。 医療者への教育プログラムとして、さらに実践に近い形でのシュミレーショントレーニングの実施を検討している。帝王切開術の際に起こりうる新生児の異常についてのシナリオを追加で作成する予定である。現地での教育プログラムの実施に関して、現地語でのトレーニングの実施が望ましいため、医療の知識があり、英語とスワヒリ語が堪能であるリサーチアシスタントの手配を進めている。また、トレーニングを効果的に行うため、タブレット端末で繰り返し見ることができる映像教材の活用も検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2023年8月下旬より出産のため休職中である。そのため、2023年度に計画していた、研究計画書の倫理審査への申請、現地へ出向いての打ち合わせが実施できていない状況である。しかしながら、研究計画書の作成には取り組み始めることができていたため、今後復帰した際には速やかに研究を遂行する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2025年4月より研究再開予定であり、2025年度は、研究者の所属機関において、研究計画の倫理審査の申請を行い、その後、タンザニアのNational Institute of Medical Researchへ研究倫理審査申請を行う。タンザニアへ渡航し、研究実施を予定している第二次レベルの地域病院と実施可能な方法等の調整を行う。また、TANZANIA COMMISSION FOR SCIENCE AND TECHNOLOGYへ研究実施のための申請を行う。現地の研究協力者に、調査のためのリサーチアシスタントを紹介してもらい、業務内容等の打ち合わせを行う。特性の近い第二次レベルの地域病院2施設において、施設毎に介入群(早期母子接触プログラムを実施)と対照群(実施しない)を置きクラスターランダム化比較試験を行う。介入群は妊婦とその家族への教育、医療者へシミュレーショントレーニング、早期母子接触を実施する。 対象群は、通常のケアを実施する。産後1~3日目、産後1ケ月、産後2ケ月、産後4カ月の4時点で質問紙調査を実施し、早期母子接触の効果を検証する。産後1~3日目の調査は対面で実施し、産後1ケ月、2ケ月、4ケ月の追跡調査は電話を使用して実施する。評価項目は、児の下痢・感染症での入院までの期間、術中・術後の疼痛(ビジュアルアナログスケール)、出産満足度(The Birth Satisfaction Scale-Revised Indicator)、完全母乳実施の有無、完全母乳継続期間、完全母乳継続意向の有無である。分析は、早期母子接触と児の下痢・感染症による入院の発生率との関連について、コックス比例ハザードモデルを使用して、ロングランク検定を実施し、2群を比較する。 その後、全てのデータ収集が終了したのち、論文を作成し、国際的な学術誌への投稿と、学術集会で結果の発表を実施する。
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Causes of Carryover |
2023年8月下旬より出産のため休暇を取得中であり、当初計画していた研究活動が実施できなっかったため次年度へ繰り越しが発生した。2025年の4月より復帰する予定であるため、2025年度にタンザニアへの渡航・滞在費、現地の倫理審査の申請費、研究実施に必要となるタブレット端末の購入費に使用する予定である。
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