2023 Fiscal Year Research-status Report
脊髄反射回路の増強が運動機能の増大・回復をもたらす神経機序の解明
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23K16538
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
兼重 美希 京都大学, 医学研究科, 助教 (40867868)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 脊髄 / 筋 / 磁気刺激 / 皮質脊髄路 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、脳損傷後の運動麻痺に対して臨床現場でよく用いられているrTMSの効果の背景にある神経メカニズムを明らかにし、運動パフォーマンスを改善するためのより効果的なrTMSの使用法を見出すことを目的としている。当該年度は連発磁気刺激のパラメータを変化させること及びリハビリテーションの組み合わせ法によって、反対側の皮質脊髄路と脊髄内神経回路の興奮性がどのように変化するかを可視化するために、ヒトとラットを用いて、実験を開始した。ヒトとラットの両方において、おおよそセットアップは構築でき、順調にデータは取得できている。ヒトを用いた実験では、抑制性rTMSとリハビリテーションを組み合わせることによって、反対側の皮質脊髄路の興奮性が上昇し、運動パフォーマンスも改善することが確認されている。今後、被験者の数を増やして検討していく。ラットを用いた実験では、健常ラットと脊髄損傷ラットを用意し、rTMSにより皮質脊髄路の興奮性を操作する実験を開始している。rTMS介入により脊髄内神経回路の興奮性が変化することが確認できており、こちらも頭数を増やして同様の傾向が見られるか確認していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験データを取得できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
実験を継続しデータの数を増やす。これまでと同様の結果が見られるか解析する。結果がまとまった際には、学会発表を行う。
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Causes of Carryover |
7月まで育休を取得しており、研究の開始が遅くなったため。
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[Book] 生理学 第6版2023
Author(s)
岡田 隆夫、鈴木 敦子、渡邉 マキノ
Total Pages
280
Publisher
医学書院
ISBN
978-4-260-05318-1