2023 Fiscal Year Research-status Report
ICUにおける人工呼吸器管理後の嚥下障害を改善するためのケアバンドル作成
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23K16540
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
本郷 貴識 岡山大学, 大学病院, 助教 (30963558)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 抜管後嚥下障害 / 集中治療室 / 脳卒中 / PICS / PED / PSD / プロトコール |
Outline of Annual Research Achievements |
ICUでの嚥下障害に対するケアバンドルを作成するために、各施設がどのようなプロトコールで、嚥下対策を行っているかを評価する必要性があった。そのために、2023年は全国23ICU施設にOne-Point Prevalence Studyを実施した。各ICU施設の代表者は、現状の嚥下障害に対する対策をアンケート形式で、まとめ、11月1日と12月1日の10時にICU入室している患者の嚥下障害の対策を実際にまとめた。21ICUで言語聴覚士がICUに専属している施設はなく、18施設(80.9%)は嚥下障害のプロトコールをもっていなった。摂食嚥下障害のスクリーニングは、76.1%が、水飲み込みテストを用い、主に看護師(85.7%)が行っていた。またPoint prevalence studyでは計326名を対象としたが、常食を摂取できていない患者が、268/326(82.2%)おり、30.0%のみしか、嚥下障害のスクリーニングを行えていなかった。また、全体の10%以下が、摂食嚥下リハビリテーションを実施できていなかった。抜管後嚥下障害がある患者は、80.3%、脳卒中後嚥下障害は、85.7%の患者でみられた。嚥下障害スクリーニングは、抜管後嚥下障害の患者のほうが、脳卒中後嚥下障害の患者よりも多くみられたが、嚥下障害とスクリーニングされても、間接・直接嚥下リハビリテーションが全例実施できているわけではなかった。本研究は、日本でのICUでの摂食嚥下リハビリテーションの臨床的特徴を表しており、今後のプロトコール作成において、重要なデータとなりうる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ICUでの摂食嚥下リハビリテーションの現状を調査でき、今後の介入検査の準備の段階にうつっている。
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Strategy for Future Research Activity |
ICUでは嚥下障害を認知されておらず、転院や転棟していくことが多いことがわかった。今後は、ICUでのプロトコールをつくり、それが患者の予後・QOLに関連するか、調査していく。
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Causes of Carryover |
令和5年度は、アンケート研究のみで研究に必要なデータをとることができた。アンケート研究で、全国のICUでの嚥下障害の治療戦略についてまとめることができた。クラウドを使用する予定であったが、経費を節約することができた。今後はRed Capを使用する可能性がある。クラウド使用料や、嚥下障害に対する対策のための、アイスマッサージ、電気刺激等をを行うための経費へ充当する予定である。また2023年度のアンケート調査はすでに英語論文にしており、本年度中には投稿予定であり、その費用もかかる予定である。
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