2023 Fiscal Year Research-status Report
腱の温度上昇に起因した腱エネルギー代謝機構の変化とその腱恒常性への影響
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23K16554
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
石垣 智恒 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助教 (30866231)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 腱障害 / 腱 / 温度 / エネルギー代謝 / ATP / グリコーゲン |
Outline of Annual Research Achievements |
罹患率が高く難治性となる腱障害の克服には、その発症メカニズムを理解する必要がある。腱障害と腱エネルギー代謝機構の異常との関連性を報告する研究が最近散見されるようになったことに加え、腱障害が運動の繰り返しによるオーバーユースによって生じることを考慮し、申請者は疲労に大きく関係するエネルギー代謝機構が腱障害発症に関与していると考えた。さらに、運動によって腱の温度が上昇することから、腱の温度上昇が腱エネルギー代謝機構におよぼす影響を明らかにすることを本研究課題の目的とした。 当初の計画では、運動が腱のATP(アデノシン三リン酸)におよぼす影響を明らかにするための実験を計画していた。しかしながら、腱ATPの定量方法の確立に時間を要したことに加え、エネルギー源であるグリコーゲンの定量も必要と考え、その手法の確立に尽力した。 今年度の大きな成果としては、腱ATPと腱のグリコーゲン含有量を定量する方法を確立したことが挙げられる。また、このエネルギー物質の量が生命活動において変化するかどうかを明らかにする必要があることから、摂取する糖質量の違いや絶食が腱エネルギー代謝機構におよぼす影響を調べた。その結果、低糖質食摂取や絶食によって腱グリコーゲンが減少することがわかった。この結果は、腱の恒常性維持においてグリコーゲンが利用されていることを示す。今後は、当初予定していた運動や温熱刺激が腱エネルギー代謝機構におよぼす影響を明らかにするための実験を実施予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
腱ATPの定量方法の確立に加え、腱グリコーゲンの定量方法の確立に時間を要した。さらには、腱で定量できたエネルギー物質の変化を調べるため、栄養介入を行う実験を追加した。そのため、当初計画していた運動や温熱刺激を実施するための実験の実施には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
確立した腱ATPおよびグリコーゲンの定量方法を用いて、当初計画していた運動や温熱刺激の影響を明らかにするための実験を実施する。特に温熱刺激に関しては、予備実験を実施したが、in vivoで腱への適切な温熱刺激の実施に課題が残った。今後は、in vitroでの実験で温熱刺激の影響を見るなどの対応策が必要と考えている。
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Causes of Carryover |
解析方法の確立に時間を要したことに加え、新たな実験を追加したため、当初計画していた実験を行うに至らなかった。そのため、購入予定であった実験動物や試薬を購入しなかった。さらに、論文として成果をまとめるに至らず、成果公表に使用する予定であった予算を使用しなった。これらの理由により、次年度使用額が生じた。
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