2023 Fiscal Year Research-status Report
変形性膝関節症患者の筋力低下と神経的要因との関連解明に向けた縦断研究
Project/Area Number |
23K16572
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
八木 優英 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (90848227)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 変形性膝関節症 / 筋力低下 / 運動単位 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,変形性膝関節症患者における大腿四頭筋の運動単位の発火頻度低下が筋力低下に与える影響を明らかにすること,低負荷な筋力トレーニングによる筋力改善効果への運動単位の発火頻度上昇の影響を明示することである.加えて,運動単位の発火頻度低下をもたらす要因を解明する. 今年度は膝OA患者と地域在住高齢者に対して,ベースライン測定として,膝痛の聴取および筋力,運動単位の発火頻度,筋特性,関節病態の計測を行った.運動単位の発火頻度は膝関節伸展運動中に外側広筋で高密度表面筋電図を用いて計測を行った. 得られたデータから,膝痛または関節変形の重症度によって,被験者を3群に分けて運動単位の発火頻度を比較した.その結果,関節変形の重症度で分けた3群では,運動単位の発火頻度に有意差が見られなかった.一方で,膝痛で分けた3群では群間差が見られ,膝痛を有する群では運動単位の発火頻度が低かった.これは,運動単位の発火頻度の変化には関節変形よりも膝痛がより影響することを示唆する重要な知見と言える.また膝関節伸展筋力と外側広筋の運動単位の発火頻度にも関連が見られており,今後交絡因子の影響を考慮した多変量解析を実施し,運動単位の発火頻度低下による膝関節伸展筋力低下への影響を詳細に検証する. 来年度は,今年度得られたデータから,運動単位の発火頻度と筋力との関連や運動単位の発火頻度低下に関わる要因をなどを分析し,論文化を行う.また,計画通りに低負荷な筋力トレーニングを変形性膝関節症患者を対象に実施する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ計画通りの測定と解析が実施でき,順調に進んでいる
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Strategy for Future Research Activity |
予定通りに分析を進め,トレーニング研究を実施する.実験に参加してくださる変形性膝関節症患者を確保できるように医療機関と連携をはかる.
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Causes of Carryover |
機材の費用が予定より安かったため.
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Research Products
(3 results)