2023 Fiscal Year Research-status Report
末梢および中枢神経障害によるしびれ感に対するリハビリテーションの確立と検証
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23K16577
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
西 祐樹 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (40961686)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | しびれ感 / 神経障害性疼痛 / 経皮的電気神経刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,末梢および中枢神経障害によるしびれ感に対するしびれ同調経皮的電気神経刺激の短期的および長期的介入効果を検証するとともに,到達把握運動障害やADLに対する影響を検証することである. 2023年度は,予備的にしびれ感による神経生理学的・運動力学的障害の調査を行うとともに,しびれ同調経皮的電気神経刺激の短期的効果を検証した.その結果,しびれ感により把握制御障害やADLの低下を示す知見が得られた.また,しびれ同調経皮的電気神経刺激により,しびれ感が短期的に改善する知見が得られた.加えて,一部の症例においてしびれ感の改善ととともに把握制御が改善することが明らかとなり,しびれ同調経皮的電気神経刺激はしびれ感の改善のみならず,運動制御の改善をもたらす可能性が推察された.しびれ同調経皮的電気神経刺激の短期的効果においては,末梢神経障害および中枢神経障害を呈する症例ともに一定の効果が得られており,疾患特異的な効果は確認されていない.一方,重度感覚障害を呈した症例においては,効果が乏しかった. 本研究の意義は,多様な疾患におけるしびれ経皮的電気神経刺激の効果を検証・類型化することで,疾患ごとの共通性や特異性を明確にし,しびれ感の特徴やしびれ同調TENSの適応・不適応を明らかにできる点である.この点について,重度感覚障害はしびれ同調経皮的電気神経刺激の介入において不適応となる可能性が推察される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
神経生理学的な検査において,計測妥当性の高い評価を十分に行えた症例が少なく,やや遅れている.この点については,環境設定や方法の見直しを行い,改善された.一方,2023年度の計画である予備的にしびれ感による運動力学的障害の調査を行うとともに,しびれ同調経皮的電気神経刺激の効果を検証した点については,しびれ感による把握障害に実態の検証を進めるとともにしびれ同調経皮的電気神経刺激の効果を順調に検証することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
神経生理学的検査については,計測方法の確立ができたため,しびれ感に対する神経生理学的な特徴を検証するとともに,しびれ同調経皮的電気神経刺激による神経生理学的な変化を検証する.また,しびれ同調経皮的電気神経刺激による短期的な効果のみならず長期的なしびれ感および運動障害に対する効果の検証を進めていく予定である.
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Causes of Carryover |
当初の見積り額よりも低額で機器を発注できたことから,差額が生じている.未使用分については,論文校閲や論文投稿費用等に補填する予定である.
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