2023 Fiscal Year Research-status Report
脳梗塞後慢性期のリハビリテーション効果を促進する治療法の開発
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23K16609
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中西 徹 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教(常勤) (00848492)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 脳卒中 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、脳梗塞後慢性期においてリハビリテーションの効果を促進する手法を開発することである。脳梗塞後のリハビリテーションは、急性期から亜急性期にかけて一定の効果を発揮するが、慢性期になると効果が得られにくくなる場合が多い。そこで本研究では、脳梗塞後慢性期にリハビリテーション効果が抑制されるメカニズムを解明し、新規治療法の開発に繋げる。 今年度は、Photothrombosis法によって作製した脳梗塞マウスモデルに対して、脳梗塞後慢性期におけるリハビリテーションとしてペレットへのリーチングトレーニングを実施し、前肢運動機能の回復を経時的に評価した。コントロール群では、先行研究と同様に、慢性期のリハビリテーションの有無による前肢運動機能の回復に有意な差はみられなかった。それに対し、アデノ随伴ウイルスベクターを用いた介入群では、慢性期リハビリテーションの実施によって、有意な運動機能回復の促進作用がみられた。 今後は、二光子励起顕微鏡による生体イメージングなどを用いて脳梗塞後の神経回路の再編様式を評価し、慢性期のリハビリテーション効果が促進するメカニズムを検証する。また、アデノ随伴ウイルスベクター以外のモダリティを利用した介入方法についても検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳梗塞マウスモデルに対してリーチング課題を利用したリハビリテーションの手法を確立し、介入群においてリハビリテーションの効果が促進されることを確認できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
二光子励起顕微鏡による生体イメージングなどを用いて脳梗塞後の神経回路の再編様式を評価し、慢性期のリハビリテーション効果が促進するメカニズムを検証する。また、アデノ随伴ウイルスベクター以外のモダリティを利用した介入方法についても検討する。
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