2023 Fiscal Year Research-status Report
App Development and Randomized Controlled Trial to Promote the Daily Use of Upper Extremity After Distal Radius Fractures
Project/Area Number |
23K16626
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
大野 勘太 東京工科大学, 医療保健学部, 助教 (70827823)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 橈骨遠位端骨折 / アプリケーション / 行動変容 / 骨折 / 上肢 |
Outline of Annual Research Achievements |
橈骨遠位端骨折後に掌側ロッキングプレート術を施行した患者を対象に,患側上肢の日常使用を促すためのアプリケーション(ADOC-DRF)を開発中である.日常生活において骨折後の上肢の使用場面の活動を21名の専門家パネルによって選定する調査を実施した.その後,疫学的に発生頻度が最も高い高齢女性への適応を想定し,選択された活動場面のイラストをイラストレーターに制作してもらい,アプリケーション開発の前段階としてリーフレットバージョンのADOC-DRFを作成した. その後,リーフレットバージョンのADOC-DRFの臨床有用性を検証するために,橈骨遠位端骨折後患者を対象にADOC-DRFを適応した介入研究を実施した.比較対照群を設けていないものの,関節可動域や疼痛に関する自己効力感(PSEQ),上肢使用時の困難感(QuickDASH)において,介入前後で有意な改善が認められた.さらに,実際にADOC-DRFを使用した作業療法士を対象とした臨床使用感についての調査を実施した結果,従来の口頭でのコミュニケーションを中心とした手法に比して,上肢の日常使用に関する患者との意思決定を促進を支援されたことが報告された.なお,リーフレットバージョンの開発研究については現在,国際論文を投稿中である. 試作したADOC-DRFのイラストの選定の段階では,本邦の作業療法士のみを対象としていたため,本邦の保険制度や文化的背景を強く反映したものとなっている.現在オーストラリアの共同研究者とともに,英語圏の診療状況や文化的背景を考慮したADOC-DRFの作成を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたADOC-DRFのイラスト選定,リーフレットバージョンの試作,臨床有用性の検討についてはすでに完了しており,論文投稿まで着手済みである.また,英語圏のADOC-DRFの開発に向けてオーストラリアに渡航し,研究者とのミーティングを実施して,2024年7月よりデータ収集を開始予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
2024年7月を目処にオーストラリアを中心とした英語圏バージョンのADOC-DRFの開発を行っていく.オーストラリアでのデータ収集のプラットホームが確立した後には,アジア圏など異なる文化圏での開発も着手する. なお,本邦においてもADOC-DRFを使用した介入の効果検証のために無作為化比較試験を実施予定であり,データ収集施設への研究説明など準備段階である.
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Causes of Carryover |
国際誌への論文投稿,掲載料金の申請を実施予定だったが,年度の切り替えの都合で当該年度の申請が間に合わなかったため.2024年度に国際誌への論文投稿を予定しており,英文校正およびオープンアクセス費用として申請予定.
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