2023 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of a systematic support method for communication disorders in multiple system atrophy.
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23K16638
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
山田 恵 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (50452157)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 多系統萎縮症 / コミュニケーション障害 / 意思伝達支援 / パーキンソニズム / 小脳性運動失調 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経難病である多系統萎縮症(multiple system atrophy、以下MSA)は、四肢麻痺や音声言語機能が低下するため、筆記や発語による意思表出が困難となる。根本的な治療法がなく、意思表出が困難な状態から回復することは難しい。このため、日常会話からアドバンス・ケア・プランニングに至るまで、コミュニケーションの代替手段が必須となる。しかし、MSAのコミュニケーション支援に関する研究は乏しく、国内外ともに先行研究は皆無である。本研究では、MSA患者のQOL改善を目指し、MSAのコミュニケーション障害に対する体系的な介入方法の確立を図る。 2023年度は少数例のMSAの患者の進行期別に、意思伝達能力、意思伝達阻害要因を確認した。その結果、小脳失調が目立つ例では、主に運動時振戦のため指差し動作やスイッチ操作に難渋した。またパーキンソニズムが目立つ例では、四肢の可動域の低下による指差し・スイッチ操作力の低下がみられた。いずれの例でも、視線入力によるコミュニケーション機器の操作は、継続的な使用が難しかった。また、これらの運動症状別、また意思伝達能力別に、複数の代替コミュニケーション方法を導入し効果・問題点を確認した。 次年度も、評価項目に基づきMSAの患者の意思伝達能力、意思伝達阻害要因を確認し、複数の代替コミュニケーション方法を導入し、効果・問題点を確認していく。多数例での介入を行い、運動障害別、意思伝達能力別に適するコミュニケーション支援法を確立していく方針である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
評価項目に基づきMSAの患者の意思伝達能力、意思伝達阻害要因を確認し、複数の代替コミュニケーション方法を導入し、効果・問題点を確認した。症例数がまだ少数であるため、次年度も引き続き実行していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
多数例において、MSAの患者の意思伝達能力、意思伝達阻害要因を確認し、複数の代替コミュニケーション方法の導入を継続していく。多数例でえられた特徴、問題点等を複数の視点から解析していく。
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Causes of Carryover |
次年度に新たなコミュニケーション機器、スイッチ類等の購入を予定したため。
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