2023 Fiscal Year Research-status Report
近隣における客観的・認知的環境の相互関係がフレイルに与える影響についての検討
Project/Area Number |
23K16652
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
安藤 雅峻 北里大学, 医療衛生学部, 助教 (90844431)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 高齢者 / 介護予防 / フレイル / 近隣環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会にある我が国において,高齢者が自立した生活を継続するうえで,フレイル予防が重要である.フレイルには身体,精神・心理,社会など様々な側面が関連するが,近年,高齢者の生活を取り巻く「近隣環境」が高齢者の健康に影響を与えることについて注目が集まっている.本研究の目的は,地域在住高齢者を対象に,①近隣における“客観的環境”と“認知的環境”の相互関係がフレイルに与える影響を縦断的に検証すること,②客観的-認知的環境の相互関係の特徴に基づく新たなフレイル予防モデルを検討すること,である. 研究初年度においては,要支援・要介護認定を受けていない65歳以上の地域在住高齢者を対象とする会場招聘型調査(ベースライン調査)を実施した.フレイルは,先行研究で信頼性・妥当性が実証された方法に基づき,自記式質問票および客観的運動能力により判定を行った.近隣環境においては,先行研究でフレイルとの関連が示唆されている物的(建造)環境・社会環境を中心に,主観的指標(アンケート)を用いて調査した.また,客観的環境の指標化のために郵便番号情報を収集した.その他,交絡要因として,基本属性(年齢,性別,病歴,服薬状況,生活機能など),精神・心理的要因(認知機能,うつ状態など),社会的要因(社会関係,社会参加など),生活習慣(運動習慣,食習慣など)の調査も計画通り実施した. 今後は,郵便番号情報に基づき,近隣における客観的環境について指標化を進める.加えて,ベースライン調査で得られたデータを用い,横断的解析を行う.さらに,フォローアップ調査を継続して行い,近隣における客観的-認知的環境の相互関係がフレイルに与える影響について縦断的に検証する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度は,当初の計画通り,要支援・要介護認定を受けていない65歳以上の地域在住高齢者を対象とする会場招聘型調査(ベースライン調査)を実施した.調査項目として,フレイル,近隣環境,その他の交絡要因に関する項目を概ね計画通り収集できている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,郵便番号情報に基づき,近隣における客観的環境について指標化を進める.加えて,ベースライン調査で得られたデータを用い,横断的解析を行う.さらに,フォローアップ調査を継続して行い,近隣における客観的-認知的環境の相互関係がフレイルに与える影響について縦断的に検証する.
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Causes of Carryover |
オープンアクセスジャーナルへの投稿準備中であり,支出に至っていない.次年度においては,フォローアップ調査を実施するための費用,データ解析費用,ならびに研究成果発表のための費用等として使用する計画である.
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