2023 Fiscal Year Research-status Report
Age-related hearing impairment and brain reserve using brain imaging analysis
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23K16666
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
冨田 浩輝 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 老年学・社会科学研究センター, 特任研究員 (10909261)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 高齢者 / 難聴 / 脳予備能 / 脳画像解析 / 認知症予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、地域在住高齢者を対象とした縦断調査から、脳画像解析を用いて、認知機能維持に関連する脳予備能が、加齢性難聴の有無によって異なるのかを解明することを目的としている。また、認知症発症を遅らせる可能性のある脳予備能の強化にとって妨げとなる可能性のある加齢性難聴の重症度について、純音聴力検査における平均聴力や自己申告式の質問紙による聴力検査におけるカットオフ値を検討する。 令和5年度は、本研究対象者となる地域在住高齢者のベースライン調査におけるデータベースの整理を実施した。また、ベースライン調査のデータベースより、本研究対象者の基本属性、認知機能(Mini-Mental State Examination、記憶、注意機能、実行機能、処理速度)、および聴覚機能(純音聴力検査、自己申告式の質問紙による聴力検査)、MRI脳画像等の測定項目を解析するためのデータセットの作成が完了した。現在、ベースライン調査における加齢性難聴の有無で群分けを実施し、脳容量や認知機能をアウトカムとして、聴覚機能との関連について横断解析の結果をまとめている。また、本研究課題に関連する一部の成果については、国内外の学会での演題発表が実施済みであり、現在もいくつかの国内学会への演題登録の準備を進めている。なお、学会等で発表した結果については、国際誌への投稿に向けて原稿執筆を並行して進行している。さらに、今後の縦断解析に向けた追跡調査を進めており、おおむね順調に研究計画が進んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者所属機関にて継続中のコホート調査データベースから、本研究対象者となる地域在住高齢者を抽出し、解析のためのデータセットが作成完了している。解析対象者の選定基準は、年齢65~90歳、日常生活動作が自立、認知症・パーキンソン病・脳梗塞などの脳神経疾患の既往がなく、全般的認知機能が保たれており、要介護・要支援認定を受けていないものとした。なお、申請者所属機関の既存データベースには、脳容量、認知機能、平均聴力の情報が既に含まれており、順調にベースラインの横断解析を実施できており、難聴なし群と難聴あり群の間で基本属性の比較を行い、各群においてベースラインの脳容量、認知機能、平均聴力の横断的な関連の検討について結果のまとめが実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、地域在住高齢者における認知機能、聴覚機能、脳MRI画像の測定データを用いて、脳予備能や認知機能と聴力との関連について横断解析と追跡調査を継続して実施していく。メインアウトカムとしては、脳MRI画像から算出された脳容量と、全般的認知機能の指標であるMMSE、および認知機能評価ツール(National Center for Geriatrics and Gerontology Functional Assessment Tool:NCGG-FAT)を用いて測定される、記憶(Word list memory)、注意機能(Trail Making Test-A)、遂行機能(Trail Making Test-B)、処理速度(Digit Symbol Substitution Test)について追跡調査を実施する予定である。また、本研究で得られた結果は、積極的に学会発表や執筆作業をおこない、多くの研究者からの助言を参考として研究の推進を図る。
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Causes of Carryover |
概ね計画通りの使用額で当該研究課題を遂行することができているが、追跡調査等の検査準備の一部を次年度に実施する必要が生じたため、次年度使用額が生じた。今後は、追跡調査の準備・実施を進めるとともに、その成果について学会発表や国際誌への論文投稿を積極的行い、計画的に予算を使用する予定である。
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[Presentation] Examination of the impact of hearing impairment on the association between loneliness and the incidence of disability2023
Author(s)
K. Tomida, S. Lee, K. Makino, K. Harada, O. Katayama, M. Morikawa, R. Yamaguchi, C. Nishijima, K. Fujii, Y. Misu, H. Shimada
Organizer
World Physiotherapy congress 2023
Int'l Joint Research
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