2023 Fiscal Year Research-status Report
月経周期の個人差に着目した新たなコンディショニング法の提案
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23K16715
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
松田 知華 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学・研究部, 契約研究員 (10963803)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 月経周期 / エストロゲン / プロゲステロン / 個人差 / 持久性運動 / エネルギー代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、月経周期の性ホルモン濃度の個人差は、運動時のエネルギー代謝反応に影響を及ぼすかについて明らかにすることを目的とし研究を進めた。本実験の対象者は、正常な月経周期を有する女性12名を対象とした。そのため、まず対象者の実験6ヶ月以上前からの月経周期の確認、実験2ヶ月前から基礎体温の測定を実施し、正常な月経周期であることを確認し、対象者を選定した。また、対象者の運動状況(時間・回数・種目)を調査した。さらに、実験前日および実験当日の規定食の計算および選定を行った。 実験はカレンダー法、排卵日予測検査薬、性ホルモン濃度を用いて卵胞期前期(エストロゲン低値、プロゲステロン低値)、卵胞期後期(エストロゲン高値、プロゲステロン低値)、黄体期(エストロゲン高値、プロゲステロン高値)の3つのフェーズに分け、各フェーズでそれぞれ実験を行った。運動は、自転車エルゴメーターを用いて70%VO2maxの強度で60分間実施し、血液サンプルを用いてエネルギー代謝関連物質を評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
年度においては、正常な月経周期を有する女性を対象としたため、月経周期の確認や月経周期のフェーズ分けに時間がかかった。さらに、月経周期が正常な上で運動習慣等が合う対象者を選定することに苦労した。しかし、月経周期の各フェーズ内およびフェーズ間における性ホルモン濃度の個人差によって、エネルギー代謝動態に影響を及ぼすかを明らかにするという計画に基づいて着実に研究を推し進めた。現在は、性ホルモンデータを解析し、フェーズ分けがしっかりできているかや、その他の取得データの解析を実施している段階である。さらに、来年度以降の研究内容の確認を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、月経周期の性ホルモン濃度の個人差による運動時のエネルギー代謝反応の差が、運動パフォーマンスを左右するかを検討するために、パフォーマンスの測定も行う予定である。また、昨年度同様に、正常な月経周期を有する女性を対象とするため、早急に月経周期の確認および対象者の選定を進める。さらに、昨年度実施した研究データをまとめ、研究成果を国内・国際学会に発表することや国際誌に投稿する準備を進めていく。
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Causes of Carryover |
昨年度は実験に至るまでの対象者の選定(月経周期の確認)の部分において時間がかかってしまった。そのため、実験はほとんど実施できたが、昨年度中に予定していた実験を全て完遂することができず、対象者や看護師への謝金、分析委託費の支払いが予定していたより後ろに押してしまった。したがって、昨年度実施できなかった残りの実験実施や、分析がまだできなかった項目を本年度進める予定である。
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