2023 Fiscal Year Research-status Report
やる気の高低が一次運動野と脊髄の可塑性に及ぼす影響の解明
Project/Area Number |
23K16745
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金子 直嗣 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (50969285)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 可塑性 / 背外側前頭前野 / 一次運動野 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、やる気が運動機能の回復に関与する神経可塑性に与える影響を明らかにすることである。そのために、本研究ではやる気の高低により被験者を群分けし、神経可塑性の群間での違いを明らかにする。また、やる気に関係する脳領域を外的に賦活させた際の神経可塑性の変化について調べる。本研究成果は、運動機能の回復の根幹にある神経可塑性に対するやる気の効果の科学的証拠となり、リハビリテーションにおける運動機能の回復の効率化につながる。 当該年度ではやる気に関連する脳ネットワークの一部である背外側前頭前野の可塑性について着目して、うつ病と健常者を対象にその可塑性の違いについて調べた。その結果、うつ病患者における背外側前頭前野の可塑性異常を明らかにした。本研究成果は国際誌Cerabral Cortex誌に掲載された。 今後は背外側前頭前野と一次運動野の関係性に着目して、やる気が可塑性と運動制御に及ぼす影響の解明に取り組んでいく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究成果の一部は既に国際誌に掲載されていることから概ね順調に進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は、やる気に関係する脳領域を外的に賦活させた際の神経可塑性の変化や運動制御への影響について調べており、データが集まりつつある状況である。今後も引き続き実験を続けていくことで、やる気が運動機能の回復に関与する神経可塑性に与える影響に近づくと思われる。
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Causes of Carryover |
研究の進捗があったため、それに応じて次年度使用額が生じた。
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