2023 Fiscal Year Research-status Report
下肢疲労骨折に対する新しい予防戦略 -四股トレーニングの有用性について-
Project/Area Number |
23K16750
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Research Institution | Kobe University of Future Health Sciences |
Principal Investigator |
西本 浩章 神戸医療未来大学, 人間社会学部, 講師 (60973948)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 疲労骨折 / スポーツ傷害 / 予防トレーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
疲労骨折はアスリートだけでなく運動をあまり実施しない者も高強度の運動を実施することで発症する危険性がある.しかし,疲労骨折の予防として検証されたストレッチや筋力トレーニングはほとんどなく,疲労骨折に有効な予防トレーニングは開発されていない.そこでアスリートだけでなく老若男女,より多くの人が活用しやすい下肢の傷害予防トレーニングとして,実施に特別な用具を必要としない相撲の鍛錬法である四股に着目して,その効果を検証することを目的とする. 2023年度の研究実績としては,四股トレーニングの有用性を明らかにするために,大学学部3年生と4年生,50代男性の計59名を対象に四股トレーニング群と足趾トレーニング群の2群に分類して4週間の介入実験を実施して足部内在筋と足趾把持力,重心動揺の変化を検討した.その結果,四股トレーニング群は足趾トレーニングと比較して足部内在筋と足趾把持力で同等以上の向上がみられた.これらの結果により,四股トレーニングは,捻挫などのスポーツ傷害の予防に効果があるとされている足趾トレーニングと同等以上の効果がある可能性がある.しかし,四股トレーニング群と足趾トレーニング群ともに重心動揺に有意な向上がみられなかった.これは静的バランス能力が徒歩通学などの日常生活レベルでも高まるとされていることから,多くの対象者に運動習慣があった本研究ではすでに静的バランス能力が備わっていたことが原因だと考えられる.今後,バランス能力については,動的バランス能力について検討する必要がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度は,4週間の介入による足部内在筋と足趾把持力,重心動揺の変化について足趾トレーニングと比較した結果,足部内在筋と足趾把持力では同等以上の向上がみられた.また,次の段階として腓腹筋のストレッチ効果について検証するがその予備的実験として10名に四股トレーニング前後の腓腹筋の筋硬度を測定して柔軟性の向上を認めている. 2023年4月に所属機関が変わったことで生じた業務の関係で,多少進捗が遅れている状況である.現在,4週間の介入による足部内在筋と足趾把持力,重心動揺の変化についてまとめ,国内ジャーナルへの投稿にむけて執筆中である.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策として,現在までの足部機能に着目した結果をまとめて成果報告を国内ジャーナルに投稿する.そしてさらなる四股の予防トレーニングとして有用性を明らかにするために超音波エラストグラフィを使用し,腓腹筋の筋硬度を測定して四股トレーニングの動的ストレッチの効果を検証する.
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Causes of Carryover |
四股トレーニングの有効性について腓腹筋の筋硬度を調査するために筋硬度計を追加購入し,四股を正しく実施している群とできていない群とを比較するために足圧分布計を購入する.また,地方の大学に協力依頼するための旅費と謝金. 内訳;測定に使用する物品(筋硬度計,足圧分布計):【193,600円】,対象者に対する謝金:【60,000円】,研究で生じる旅費:【60,000円】
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