2023 Fiscal Year Research-status Report
SARS-CoV-2レプリコンを利用した抗ウイルス栄養補助剤の開発
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23K16820
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
武田 緑 鹿児島大学, ヒトレトロウイルス学共同研究センター, 特任助教 (90781435)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | SARS-CoV-2 / レプリコン / COVID-19 / 栄養補助食品 |
Outline of Annual Research Achievements |
SARS-CoV-2は依然として増加と減少を繰り返し、新規感染者数が下げ止まり傾向となっている。承認された抗ウイルス治療薬は一定の効果があるものの、全ての新型コロナウイルス感染症の患者に処方されるわけではない。小児から高齢者まで飲用が可能であり、比較的手に入りやすい治療剤はないか考えたところ、「栄養補助食品」が候補となった。 本研究では、日常でも飲用されている食品由来天然物(栄養補助食品)を抗ウイルス治療剤のスクリーニング対象とし、SARS-CoV-2複製を阻害する天然物を検討した。申請者は天然型SARS-CoV-2は使用せずに、BSL2施設での実験が可能なSARS-CoV-2レプリコンアッセイ系を開発している。このアッセイ系はウイルスの構造領域をルシフェラーゼ遺伝子と薬剤耐性遺伝子に置換しており、感染性のウイルス粒子が産生されないため安全に実験が可能となり、ルシフェラーゼ活性がそのままウイルス量を反映するため、ウイルスの複製評価に特化したアッセイ系である。 本年度は開発したSARS-CoV-2レプリコンを使用して、SARS-CoV-2レプリコンを抑制する食品由来化合物のスクリーニングを実施した。培養細胞にSARS-CoV-2レプリコンを導入後、化合物ライブラリーを添加し、ルシフェラーゼ活性を抑制する化合物を確認した。スクリーニングをした結果、373化合物のうち20化合物がSARS-CoV-2複製能を抑制したことを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は食品由来化合物ライブラリーをスクリーニングし、ウイルスの増殖を抑制する抗ウイルス栄養補助剤の候補を見出した。リード化合物が得られれば最適化合成を実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、候補化合物に対するリード化合物の評価や薬剤耐性変異の同定などを検討する。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響で学会出張などの経費が予想を下回ったため。
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Research Products
(5 results)