2023 Fiscal Year Research-status Report
耐量子計算機暗号の安全性解析に向けた連立代数方程式問題に対する評価手法の基盤構築
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23K16885
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
中村 周平 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 助教 (00824038)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 連立代数方程式問題 / Crossbred アルゴリズム / XL アルゴリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は, 連立代数方程式問題に関連して以下の研究を行った. (1) 研究課題初年度ということから連立代数方程式問題に対する求解アルゴリズムに関する調査研究を行なった. 特に, 連立代数方程式問題の計算量評価をするソフトウェアとしてMQEstimator が知られており, 基盤となる論文をもとに, 各種の求解アルゴリズムの計算量評価に関して広く調査を行なった. (2) 連立代数方程式問題の求解アルゴリズムで, 代数的手法を用いたものとしてCrossbred アルゴリズムが知られているが, この計算量評価については明らかでない部分がある. 特に, Crossbredアルゴリズムはいくつかのパラメータの下に動作するが, 実際にどのパラメータにおいてアルゴリズムが動くかは不明である. 本年度の研究では, アルゴリズムで利用可能なパラメータを検出する手法を与えることができた. また, 研究成果となる論文はIACR e-print archive において発表された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究課題初年度ということもあり, 関連研究の調査が中心となることを予定していたが, 研究課題の対象となるアルゴリズムの解析において具体的な成果が得られた. このため, 当初の研究計画よりやや速く進んでいるものと考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に進めた連立代数方程式問題のCrossbredアルゴリズムの研究について関連課題を調査し, 課題等の整理を行う. また, 別の求解アルゴリズムにも着手し, 広範囲で研究課題を進めていくことを予定している.
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Causes of Carryover |
初年度段階での論文出版の可能性が出たため, 年度後半においての購入品を抑えた. しかしながら, 最終的には年度内の出版とならなかったため, 予算のあまりが生じた. 次年度以降, 当初予定した本年度分の購入を進める.
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