2023 Fiscal Year Research-status Report
視覚障害者の自立的社会活動を多角的に支援・拡張する音触提示基盤
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23K16919
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
松尾 政輝 筑波技術大学, 保健科学部, 助教 (00912271)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 音触情報 / 視覚障害 / 認知空間 / インクルーシブゲーム / 障害者教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,視覚障害者における実空間・仮想空間の理解を促進し,認知可能な空間を拡張する聴覚・触覚提示方法を解明の上で,視覚障害者の自立的な社会活動を多角的に支援するための様々な空間理解を促すための音触提示基盤として応用することである.このために,(1)視覚的な二次元コンテンツを,音・触覚情報を通して代行提示する空間音触提示基盤の構築,(2)構築した提示方法の地図理解支援,教育コンテンツへの応用,(3)開発したシステムの配布による多様な視覚障害当事者での評価の3課題に取り組む. 本年度は,課題(1)として,視覚的な二次元コンテンツを聴覚・触覚情報で代行提示する音触提示基盤の構築を目指した.特に,音触提示基盤の実現に必要となる要素として,聴覚・触覚提示を行うシステムが扱う情報の種類と,ユーザインタラクションを検討した.提示される情報に基づき音触提示手法や提示タイミングを変更することにより即時的な音触提示の仕組みの整理を進めた.このように作成した音触提示手法を,視覚障害者もプレイ可能なインクルーシブゲームのためのインタフェースとして応用した他,日常生活を支援する空間認知システムのためのインタフェース作成のために使用した. これらの研究内容については,国内外の学会にて報告を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的である,視覚障害者の様々な空間理解を促すための音触提示基盤について検討を進め,インクルーシブゲーム開発や視覚障害者の日常生活を支援するためのインタフェースの開発を進めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度(2024年度)は,視覚的な二次元コンテンツを音触情報を通して代行提示する空間音触提示基盤を用いて,視覚障害者の地図理解,マインドマップ作成,教育支援システム開発・改善を行うことを計画している. 一連の開発・評価・改善については,視覚障害者数名を含むインクルーシブな開発体制で行う. さらに,研究開発したシステムを視覚障害ユーザへ広く公開することで,視覚障害状況や生活状況などの文脈で求められる情報や提示法について評価を行う.
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Causes of Carryover |
計画していた国際学会への参加及び発表を次年度に行うこととしたため。
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