2023 Fiscal Year Research-status Report
視線データの学習による専門技能の熟練度可視化手法の構築
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23K16932
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Research Institution | Osaka Seikei University |
Principal Investigator |
廣江 葵 大阪成蹊大学, データサイエンス学部, 助教 (40963228)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 視線計測 / 技能伝承 / 顕著性マップ / コンピュータビジョン / ヒューマンインタフェース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、視線データを基にあるスキルに対する熟練度を可視化する方法を開発することを目的としている。特に、作業中の感覚のほぼ全てを目からの情報に依存している内視鏡検査に注目した。この分野では、医師の熟練度が患者の診断や治療の精度に直接影響するため、その熟練度を客観的に評価する手法の確立が重要である。 顕著性マップから着想を得て、新たに独自開発するExpert Attention Map(EAマップ)を用いることで、これまでのスキャンパスやヒートマップといった従来の方法では可視化できなかった視線データの詳細な可視化を目指している。EAマップは、熟練者が注視する重要なポイントを視覚的に強調し、本計画の研究では医師の視線の動きとその熟練度の関連性を明確に示すことができるようになる。 これまでの進捗として、内視鏡医の先生方と綿密に相談を重ね、データ取得時に被験者が閲覧する内視鏡画像の選定を行った。また、視線計測実験システムの構築した。このシステムは、被験者が内視鏡画像を観察する際の視線データを高精度で収集・解析することができるように設計する。 今後は、収集した視線データを基にEAマップを生成し、その有効性を検証する予定である。具体的には、検査経験の長い医師・検査技師と研修医などの経験の浅い医師・検査技師の視線パターンの違いをEAマップ上で可視化し、熟練度の指標としての有効性を評価する。これにより、内視鏡検査のトレーニングや評価のための新たなツールとしての可能性を探求していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
視線計測実験に使用する視線計測装置とその実験作成・分析ソフトウェアの価格高騰により、実験作成・分析ソフトウェアの購入を断念し、ソフトウェアの自作が必要となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
計画が遅れていることの大きな要因となっているPsychopyを用いた視線計測を伴う心理実験を作成するソフトウェアを早急に完成させることを第一目標とする、ソフトウェアの完成後、胃カメラ画像データセットを使用した心理実験を行い、内視鏡医・内視鏡検査技師の視線を取得しする。得られたデータから眼球運動・眼球の分布をベースとしたEAマップモデルを構築する。また、その成果は国内学会・国際学会で発表する。
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Causes of Carryover |
実験装置と実験作成・分析ソフトウェアの価格高騰のため、実験装置の購入のみしかできなかったことが原因で当初の計画通りの予算執行を行うことができなかった。また、実験作成ソフトウェアの自作が必要となったため、研究計画に遅延が発生し、謝金を伴う実験実施ができなかったため、次年度へ繰越すこととなった。
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