2023 Fiscal Year Research-status Report
外科手術における技術習得の効率化と均てん化を実現する熟練手技モデル開発
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23K17013
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山口 智子 神戸大学, 未来医工学研究開発センター, 特命講師 (40879970)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 外科手術 / 手術工程解析 / 業務効率化 |
Outline of Annual Research Achievements |
外科手術における治療の質・成績は外科医の技量に拠るところが大きく、安全かつ効率 良い手術を提供するために手術手技教育は重要度を増している。現状の若手医師への教育は 熟練医の経験と勘を頼りに主観的・感覚的に行われており、アナログ情報に依存している部分もある。技能伝達には、客観的なエビデンスに基づき再現性を持つ定量的な尺度や指標が必要である。そこで本研究は、臨床環境においてアナログ情報も含む手術全体を通した各種情報をもとに構築された客観的な技能伝達に有用な手術モデルを活用した、手技習熟支援及び業務効率化を目指す。初年度である今年度は以下の成果を得た。 (1)脳血管内治療を対象とし、手術作業情報は蓄積されているか、また蓄積されている場合はどのように蓄積しているかの現状調査を実施した。特に手術におけるアナログ情報依存部分の実際の運用方法を確認し、現場スタッフにも受け入れられやすいデジタル取得方法を検討した。 (2)本研究を実施するにあたり、研究実施予定場所での倫理審査委員会の承認を得た。 (3)現状、蓄積はされているものの扱いづらい形式で保存されていた手術作業情報(手術室内ビデオなど)を利活用しやすく保存するシステムを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、提案システムを実現するための基礎的な環境の構築、および手法の検討が順調に進んでおり、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度構築した手術作業情報保存システムを利用して、手術作業情報データの蓄積を行う。そして蓄積した手術作業情報をもとに手術作業情報を構造化したのち、手術工程のモデル化及びモデル因子の最適化手法の検討を実施する。
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Causes of Carryover |
初年度に購入予定だった手術作業情報計測・保存システムについて、まずは既存の情報蓄積方法を活用したシステムを試してみることにしたため。現在、本システムで取得したデータの分析を行い、改善点等の洗い出しを進めており、それに対応した計測システム等を必要に応じて購入する予定である。これによる研究計画への影響はなく、研究計画に変更はなく、当初の予定通りの計画を進める。
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