2023 Fiscal Year Research-status Report
多重染色及び複数色蛍光画像を用いた300μm以下のマイクロプラスチックの検出
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23K17030
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中野 知香 九州大学, 応用力学研究所, 助教 (60834067)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | マイクロプラスチック / 蛍光染色 |
Outline of Annual Research Achievements |
蛍光染色を用いた環境中マイクロプラスチックの検出手法開発を行った。2023年度は染色に適した蛍光指標の選定と実験室環境下での検出プロトコルの開発に着手した。蛍光指標の選定の結果、利用予定であったNile RedおよびDAPIの他、タンパク質染色のための蛍光指標を利用することで、夾雑物を効率的に除去できることが分かった。また、蛍光顕微鏡下で撮影したRGB画像データに対し統計解析を行い、マイクロプラスチックおよびそれ以外の粒子の蛍光の特徴づけと分類を行った。 また、本手法を鶴見川河口で得た生物試料に適用し、手法の有用性を検証した。また、タイ王国シーチャン島にてこれまでに採取したプラスチック試料を赤外分光高度計を用いた従来法で分析し、開発中の手法との比較に用いることのできるデータを得ることができた。本内容についてはScience of Total environmentにて公開済みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開発中の手法は大量のサンプルを迅速に処理できるという点で利便性が高いことが鶴見川河口域での生物試料での調査結果から示された。本内容については現在論文として取りまとめ中である。 また、タイ王国シーチャン島にてこれまでに採取したプラスチック試料を赤外分光高度計を用いた従来法で分析し、開発中の手法との比較に用いることのできるデータを得ることができた。本内容についてはScience of Total environmentにて公開済みである。
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Strategy for Future Research Activity |
鶴見川河口域での生物試料での調査結果から示された結果を論文として公表する予定である。また当初予定していたシーチャン島での調査が先方(タイ共同者)の都合で実施困難になったことから、2024年4月に採取したタイランド湾の底泥試料を利用することになった。また、蛍光指標について当初予定していたDAPIは効果が低いことが分かったことから、他の指標の利用の検討を始めた。そのため、複数の蛍光指標を購入予定である。
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Causes of Carryover |
蛍光顕微鏡のソフトについてセンターの共通経費での支出が可能になったため、科研費からの支出を取りやめた。次年度使用額については、他の蛍光色素の購入、論文のオープンアクセス費用として利用する予定である。
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