2023 Fiscal Year Research-status Report
Removal of antibiotic resistant bacteria and antibiotic resistant gene during ozonation, and quantitative evaluation of horizontal gene transfer
Project/Area Number |
23K17053
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 東範 京都大学, 工学研究科, 特定研究員 (80802686)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 耐性菌 / 耐性遺伝子 / オゾン処理 / 水平伝搬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、オゾン処理による耐性菌と耐性遺伝子の除去性能を評価するために、下水流入水および下水処理水を用いて耐性菌および耐性遺伝子の添加実験を行った。添加した耐性菌はアンピシリン耐性遺伝子を持つ大腸菌(添加濃度:4~5-log(CFU/ml))であり、オゾン処理は1.0mg/Lと5.0mg/Lの2つのオゾン注入濃度の条件で行い、耐性大腸菌は培養法、耐性遺伝子はqPCRで分析した。 添加した耐性大腸菌に場合、約10.0 mg/Lのオゾン消費量で不検出となり、約4log以上の除去率が得られた。耐性大腸菌の除去において異なるオゾン注入濃度による有意な差は見られなかった。耐性遺伝子の場合は、細胞内耐性遺伝子と細胞外耐性遺伝子に分けて評価を行った。細胞内耐性遺伝子および細胞外耐性遺伝子の初期濃度はそれぞれ約5と2-log(copies/uL)であった。細胞内耐性遺伝子はオゾン注入濃度1mg/Lと5mg/Lの条件において同じオゾン消費量の5.0mg/Lに対してそれぞれ1-logと2-logの除去率が得られた。細胞内耐性遺伝子の場合はオゾン注入濃度が高い方が除去されやすい傾向があると考えられた。細胞内耐性遺伝子は30.0 mg/Lのオゾン消費量で定量下限以下となった。一方、細胞外耐性遺伝子はほとんどの結果が定量下限以下であったが、1mg/Lのオゾン注入濃度の条件の約6.5 mg/Lのオゾン消費量で、約3-log(copies/uL)の濃度で検出された。これは、オゾン処理によって細胞壁が壊れて耐性遺伝子が細胞外に流出されたためだと考えられた。この結果から、耐性遺伝子の効果的な除去のためには、高いオゾン注入濃度の条件下で一定以上のオゾン消費量が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画とおり、順調に進展している。オゾン処理による耐性菌と耐性遺伝子の除去性能の評価を行った。どの程度のオゾン消費量で耐性菌と耐性遺伝子が検出下限以下になるかを明らかにした。オゾン処理による細胞内および細胞外耐性遺伝子の除去性能を明らかにした。細胞内耐性遺伝子がオゾン処理で細胞外に放出される傾向が見られ、ある程度のオゾン消費量までは細胞内耐性遺伝子が細胞外に放出されることが分かった。また、耐性遺伝子の効果的な除去のための必要なオゾン消費量について明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
添加した耐性菌および耐性遺伝子だけではなく、元々下水中に存在している耐性菌および耐性遺伝子のオゾン処理による除去性能を評価する計画である。これらの耐性菌および耐性遺伝子は下水中のSSなどの粒子に吸着していると考えられ、下水中の粒子がオゾンによる除去を妨げる可能性がある。そのため、添加した耐性菌および耐性遺伝子に比べてオゾン処理による除去により多くの消費量を必要とする可能性がある。来年度の研究では、耐性菌および耐性遺伝子の初期濃度が高いと想定される病院排水のような排水を用いてその排水中に存在している耐性菌および耐性遺伝子のオゾン処理による除去性能を評価する計画である。
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Causes of Carryover |
研究課題の遂行に必要な予算執行をした上で次年度使用額が生じた。金額が微少であるため次年度予算と合わせて使用する計画である。
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