2023 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the impact of the disappearance of the local community on nature conservation volunteer activities
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23K17087
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Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
竹内 亮 福岡女子大学, 国際文理学部, 講師 (90823063)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 自然保全ボランティア / 草原 / 野焼き支援ボランティア / 阿蘇 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、熊本県阿蘇地域の草原保全における野焼き支援ボランティア事業に対して参与観察を行った。その結果として、公益財団法人阿蘇グリーンストックが運営する野焼き支援ボランティア事業は高度に組織化が行われていることがわかった。それにより、阿蘇地域の草原保全における従来の担い手である地域住民による管理作業への参加が、高齢化を理由に減少しているという課題に対して、ボランティア活動によって量的な面で補完可能なことがわかった。特に刈払い機による防火帯作成作業や野焼きの際の火消しについては、講習を受けて、現地で訓練するることによりボランティアの方が地域住民より効果的に機能する場面を確認した。 一方で、野焼きの際に火をつける火引きといった特定の現場における長年の経験が必要な作業や、延焼の発生や、作業時の事故リスクの引き受けといった、ボランティアでは補完、代替することが困難な作業や役割が存在することがわかった。以上をまとめると、野焼き支援ボランティアについては、核となる作業を行う地域住民およびボランティアの双方の存在が重要であることが示された。ただしこれが他の自然保全ボランティア活動全般に生じる問題であるのかは不明である。 以上の研究内容について、査読付き論文(国内誌)が2篇公表されている。2024年度の研究課題として、地域住民による核たる管理作業が困難となった場合の草原管理方法について行政の関与に着目して分析することがあげられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の目的では、2023年度は参与観察による現状分析およびデータ整理までを目標としていたが、現地関係者との調整が円滑に進んだため、想定より速いペースで研究が実施できた。結果として、すでに論文として研究成果を発表できたため、計画以上の進展と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進方策としては、現場での参与観察と並行して、行政への聞き取り調査の回数を増やすことを予定している。理由として、研究を実施する中で、本研究が提起する問題である「自然保全における地域の担い手の消失」において行政の役割が大きいことが分かったためである。具体的には、環境省、熊本県、南阿蘇村の草原管理の担当者へ聞き取り調査を実施する。 「阿蘇地域の野焼き自然保全ボランティアにおける地域の担い手の役割」について国際誌への論文1篇の投稿を予定している。また、予定に加えて自然保全活動におけるのボランティアの役割を総論的に議論するための論文を投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
元々、初年度に充実した調査を行う予定で重点的な予算配分を申請していた。初年度に見込んでいた調査について、その一部を同時に行うなどで旅費を一部圧縮できたことが次年度使用額発生の主な理由である。繰り越し予算については、次年度調査を充実させるための記録機器の購入に使用する。具体的には参与観察に使用するGPSトラッカーの追加的に購入する。
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