2024 Fiscal Year Research-status Report
国境をまたぎ多様化するディアスポラ移民たち:韓国・日本の多文化共生の課題を中心に
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23K17115
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| Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
李 眞惠 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 助教 (20896831)
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| Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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| Keywords | ディアスポラ再移住 |
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では全世界的に多様に展開されている越境的な国際移動の中で、韓国と日系ディア スポラの帰還移住事例を通じて、ディアスポラ論の新しい地平を拓き、多文化共生論への貢 献をもめざす。特に、両事例を中心に帰還移住の実態、彼らの受入れに関わる政策と制度に対する現地調査を実施し、「二重ディアスポラ」の概念と定義を精緻化すると同時に、この 概念に基づくディアスポラ研究の拡張をおこなう。 今年度は、主に、コリョ・サラムの集中居住地調査の実施を計画した。具体的に、コリョ・サラムのアイデンティティ変容の実態を分析するために、2007年、コリョ・サラムの受け入れ以来、本格的に形成され始めた、「仁川(インチョン)」、「安山(アンサン)」、「光州(グァンジュ)」の集中居住地での現在調査を行った。特に、韓国でコリョ・サラムの人口が最も多いアンサン市を中心に調査を行った。まず、移民者自らによる出身国、移住形態(単身移住・家族移住など)、獲得ビザ形態(短期・中長期など、勤労・訪問・永住など)、労働形態(短期・中長期契約など)、言語能力(韓国語のレベル)、世代別特徴(韓国での帰属意識など)などの移住者の特性と、多様な移住背景の主体で形成された、政府機関や民間団体などのコミュニティの特徴(学校、関連機関の活動、移住者ネットワークなど)の検討から、彼らの中に存在する、移民たちの社会的統合を防ぐ問題と課題を導き出すことを目的とした。ここで引き出した論点をもとに、今後の日系人集中居住地の類型化と比較分析する予定である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2024年後期から2025年前期までに日本の日系人の事例と韓国のコリョ・サラムの事例研究を行うために、両国の両集団の集中居住地域で現地調査を行い、これらの集中居住地の類型化をし、比較分析することを目標としている。現在、韓国での調査はある程度完了したので、2025年度前期まで「日系人の集中居住地調査」の実施を予定している。具体的に、2025年7月から日本・浜松市を中心とする日系ブラジルの集中居住地域の調査を行う予定である。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後、日系人の集中居住地調査を予定している。1990年、入国管理法の改正以来、日系人の受け入れにより形成された集中居住地、主に浜松市を中心に彼らの移動が増加、拡大してきた。彼らが直面してきたアイデンティティの変容に焦点を当てて、主にどのような問題が発生し、どのように解決してきたのか、日本国内の日系人集中居住地とコミュニティを中心に彼らの帰還移住過程のプロセスを、これまでの国内外での文献から分析する。さらに、集中居住地の形成時点、構成日系人の特徴、内部コミュニティの特徴などを考察し、集中居住地を比較分析して類型化を行う。
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| Causes of Carryover |
2025年3月に現地調査を行ったことで、研究費の実際の請求された時期が遅れたために、当該助成金が生じた。今後、翌年度分として請求した助成金と合わせて、最終年度の研究の実施と成果のとりまとめのために使うことにする。
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