2023 Fiscal Year Research-status Report
Upcycling Non-standard Materials for Structural Elements through Minimum Processing
Project/Area Number |
23K17157
|
Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
吉田 博則 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (50728087)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | アップサイクリング / デジタルファブリケーション / 非規格材 / 端切れ / CLIP / 家具 |
Outline of Annual Research Achievements |
実績として大きく分けて二つあり,一つは非規格材で構造物を制作する際の,自由度の高い接合部の設計および製作手法の開発および枝材を用いた実証,二つはより多様な非規格材として家具パーツや布(端切れ)を用いた設計,製作手法である.
1つ目の研究では接続部の意匠の自由度の高さ,および接続部のメス型を製作しパーツをレジンで一体成型する製作方法を提案した.素材として枝を用い,接続部の生成手法としてConvOccNetおよびPoint2Meshを用いた.昨年度の12月に尾道市のギャラリーにて展示したオブジェを,本年度はロサンジェルスのBaert Galleryにて展示した.また継続研究として,3次元データをスケルトンとその各点に埋め込んだベクトルにエンコード・デコードする手法,および型化する際の自動化を開発した.
2つ目の成果として,様々な対象に拡張した研究がある.そのうちの一つは家具のパーツを非規格材として扱い,LLMを用いて部材の交換を支援する手法を開発した.具体的には既存の3Dモデルのパーツを交換することで新しい3Dモデルを作成し,その結果を可視化してユーザーに提示するシステムを開発した.構造の評価ではCLIPと幾何学的な損失関数を組み合わせて行う手法と,fine tuningを行ったCLIP単体で行う手法の二つを提案した.fine tuningによってこれまで行われてこなかった家具の構造に関するCLIPの理解向上が確認された.また服飾製作の際に発生する端切れ布を用いたモザイクアート設計・製作手法を開発,実証した.まず作成したいターゲット画像についてモザイク化,現職処理等の画像処理をおこなう.つぎに似た色やテクスチャを持つセルを結合し, パーツを生成する. その後, パーツごとに最も類似度が高い端切れ及びその部位を特定し,それらを実際に制作した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた非規格材として枝材を用いた手法については概ね予定通り開発でき,実際の構造物の製作で実証され,さらに国内外でのギャラリー展示も行った.また木材学会での発表もおこなったため,本提案については十分な成果を満たしたと考えた.
さらに昨年度は非規格材として枝のみならず,手元にある壊れた家具であったり,産業で発生する端材に着目し,システムの開発や評価をおこなった.そのうち前者については2024年6月に国際学会で発表予定であり,後者も同月の学会発表を予定している.
|
Strategy for Future Research Activity |
昨年の端材を用いたプロジェクトを発展させ,素材はフローリング製造時の端材を用いてた吸音パネルの設計および製作手法に取り組む予定である.また接続部の生成手法については,多様な樹種を用いた家具の接続部のカスタマイズ手法について取り組む予定である.どちらも木材であるが,捨てられるか活用されていない素材に着目した事例となる.
|
Causes of Carryover |
当初の計画では機材や材料の費用および旅費を本科研費から執行予定であったが,学内研究費により購入した材料や機材等の物品を利用するとともに,他の研究事業と出張行程を組み合わせて旅費を節約することで,効率的に研究費を使用することができた.当初の計画以上に進展していることから,予定していた学会に加え,別の国際学会等でも発表するための旅費および参加費用にあてる.また,多様な樹種を用いた家具の接続部の設計および制作手法の試作および提案にあたり,デスクトップパソコンやユーザ入力用のMRデバイス等の計算機器類の購入にあてる.
|